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2015-01-16 00:00
円安と製造業の国内回帰
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
アベノミクスの一本目の矢である異次元の金融緩和は、アメリカとの大きな金利差を生み、円安ドル高を加速させた。一時期1ドル80円前後であったものが最近では120円となり、3割以上の変動である。円安は海外への輸出を助長し、海外からの輸入を減らす効果がある。しかしこの効果は、大きなタイムラグがある。円安になっても、国内にほとんどない原油などのエネルギー源を、先ずより高い値段で輸入しなければならない。代替エネルギーの普及にはなお相当な時日を要する。
一方国内の製造業は、長年続いた円高により、海外にその拠点を移してしまった。モノを輸出しようにも、それが出来なくなってしまった。最近円安基調が定着しはじめたため、海外の生産拠点をもう一度国内に戻そうという製造業が、少しづつ増えてきている。
パナソニックは白もの家電の製造を、首都圏や関西の工場に戻そうとしており、シャープもテレビジョン生産を、栃木の矢板工場で増産する計画を発表している。「産業の空洞化」が懸念される中、このような傾向は大変歓迎されるべきことである。
このように日本経済は、為替相場の変動によって翻弄される運命にある。我々が今後心がけなければならない点は、急激な円高や円安を生まないような、安定した金融対策を進めることである。また仮にこのような事態に陥っても、決して慌てないようなエネルギー対策や生産拠点の工夫を、普段から考えておかなければならないということだ。
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