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2015-02-20 00:00
ウクライナとヨーロッパ
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
2月15日はウクライナ政府軍と親ロシア勢力軍との停戦の日である。ヨーロッパの秩序を代表するドイツとフランス首脳、そして当事者であるウクライナのプルシェンコ大統領とプーチン大統領の、16時間という長丁場のミンスク会談の末にたどり着いた結論だ。現時点では停戦の前に、少しでも支配地域を拡大しておこうとする勢力が、小競り合いを繰り返しており、停戦が無事に履行されるかどうか、危ぶまれている。昨年夏にも停戦が合意されたわけだが、残念ながら実現しなかった。関係国の間では今度こそとの期待は大きい。
ところで日本のマスコミは、先のISILによる邦人2名の拉致、殺害事件では連日のように報道しまくっていたが、今回のウクライナ情勢に関する情報提供は極めて少ない。我々も余程注目していないと、見逃してしまうほどだ。私は1990年代、ユーゴの内戦の際にもウクライナと同様な経験をしている。当時アメリカやイギリスのシンクタンクに伺う機会があったが、先方のプレゼンテーションのほとんどか、ユーゴ情勢に割かれていたことを思い出す。
地政学的に言えば、ヨーロッパとそれぞれ問題となる地域は、まさに陸続きであり、また民族的にも共通するものがある。庭先でドンパチ行われているような感覚なのだろう。それに比して日本は、大陸からは切り離されており、あまり切迫感がない。
かと言って我々は、このような一種の恵まれた環境に甘んじることなく、紛争地域に思いを馳せ、我々に何ができるかを考える姿勢こそが大切である。これが出来てはじめて「積極的平和主義」が実現できるのではないか。
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