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2015-03-25 00:00
(連載1)安倍首相の訪米を前にして思う
角田 勝彦
団体役員、元大使
安倍晋三首相の4月26日から5月3日までの訪米が発表された。待遇は国賓級で、オバマ大統領との首脳会談のほか、1961年に池田勇人首相が下院で演説して以来54年ぶりの米議会での演説、しかも日本の歴代首相で初となる米上下両院合同会議での演説を行う予定である。お祝いするとともに訪米の成功を祈りたい。首脳会談では、環太平洋経済連携協定(TPP)や中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)などの経済問題も論じられようが、安保法制整備、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)改定や日米同盟の強化、テロ対策での連携などの安全保障問題が主要議題となろう。
問題は、辺野古の海底調査に関する沖縄県翁長雄志知事との対立が象徴するように、政府が、国会を含む国内の反応より、米国との関係を優先しているように見えることである。あまり前のめりになるとつまずきかねない。米国としても約束が実現されなかったら困るだろう。それに米国内には日本の「右傾化」を警戒する空気もある。日本と近隣諸国との衝突の回避は米国のアジア戦略の中の優先課題でもある。訪米の成功を確保するために、政府は、安保法制などに関し、国会、すなわち国民に対する十分な説明を行い、理解を求め、その上で米国に対応することが望まれる。
安全保障問題では、第一に気にかかるのは28日に予定される首脳会談直前の27日に、ワシントンで日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が開かれ、ガイドライン改定(実は再改訂)で両政府が合意する見通しと報道されていることである。 筆者は昨年7月12/13日の本欄寄稿「日米ガイドラインの今後」及び12月22/23日の「日米ガイドライン再改訂の前に安保法制の十分な審議を」で、安保法制整備がガイドライン改定の前提である旨説いた。この事情は今も変わらない。
安保法制整備については、3月20日、やっと「安保法制整備の具体的方向性について」自民・公明の与党合意が発表された。ただし、これは「骨格合意」で、国会の関与や自衛隊派遣の要件など自公両党のいくつかの隔たりが曖昧または未記入のまま残されている。政府は、これを踏まえて法案化作業を進め、5月中旬に閣議決定する方針と発表している。仮に4月中旬に再開される予定の与党協議で提案される法律案文を公明党がスムーズに納得して、この5月中旬の閣議決定が行われるとしても、安保関連の大型法案の国会審議は従来の例から見て100時間を超える長期にわたることが多い。6月24日の会期は大幅延長が必至だろう。審議には統一地方選の結果も影響しよう。(つづく)
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