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2015-04-08 00:00
AIIBへ参加か否か?
船田 元
衆議院議員
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、我が国が参加するか否かで、政府与党内で意見が割れている。アジア地域のインフラ整備に豊富な資金提供を行う目的があり、資金総額は未定だが、中国が約4割の資金をつぎ込むという。地域の融資機関として馴染みが深いのはアジア開発銀行(ADB)である。本部はマニラにあるが、日本とアメリカが資金総額の16.5%を拠出しており、歴代総裁は日本人が務めるなど、我が国の関与が大きい。世界レベルとしては世界銀行(WB)があり、本部がニューヨークに置かれるなど、アメリカの関与が大変大きい。
その傘下にある国際復興開発銀行(IBRD)から、我が国は1953年以来、多額の開発資金の融資を受けてきた。1964年に開通した東海道新幹線をはじめ、名神高速道路や火力発電所など31のプロジェクトに対して多額の融資を受けて、戦後復興を果たすことができた。返済完了は1990年の竹下内閣の時であり、つい先日のことである。アジア開発銀行にしても世界銀行にしても、融資の条件は厳しく査定され、返済も計画的に実施しなければならない。さらにアジア地域におけるインフラ整備の需要は最近高まってきており、既存の機関だけではまかない切れない現状がある。これに目を付けたのが中国である。
これまでアメリカや日本が主導してきたアジア地域の開発に関して、GDP世界第2位の中国が黙って見ているはずはない。AIIBの創設をきっかけとして、その影響力を域内に広めたいとする意図は、非常に分かりやすい。しかしながら、どの位の資金をどのような条件で融資するのか、透明性を保つことが出来るのか、まだまだはっきりしない現状である。驚いたのは、親米の英国をはじめ、ヨーロッパの主要国など50カ国近くが、早々と参加の意思を示したことだ。あらためて世界大の中国の影響力を知らされた。また日本の産業界では、AIIBに参加しないことによって、アジアにおけるインフラ整備受注に遅れを取るのではないかと、懸念する声も挙がっている。
外交的に日米関係重視を維持するのか、経済的に活路を見い出すべきなのか、ここは大変悩むところである。もしその両方を満たす解答を考えるとすれば、我が国も参加することを表明しつつ、同機関の運営における透明性や融資基準をはっきりさせるため、注文を出し続けることではないだろうか。
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