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2015-04-19 00:00
(連載2)伊藤憲一先生の「『国際平和』へ進化した安保議論」を読んで思う
加藤 成一
元弁護士
私見ですが、私は、自由民主党は「日本の大黒柱」であると考えています。自民党が倒れるときは、日本国も倒れるときであると考えます。このことは民主党の3年3ヵ月間の政権運営で証明済みです。どうか伊藤先生におかれては、その影響力をもって自由民主党ならびにマスコミ、そして日本国民を叱咤激励して頂きたいものです。一層のご活躍を祈念申し上げます。
ところで、社会主義者の荒畑寒村ですら「非武装、非防備こそ日本の独立と生存とに最も安全な法だという主張は、強大国(アメリカ・ソ連)の従属国となるだけでなく、却って国際戦争の危機を増大する反対の結果をもたらす」、「侵略のための軍備ではなく、自衛のための軍備は必要である」、「現存の憲法が制定された事情から言っても、自衛のための交戦権すら否定するような規定から言っても、また国連の集団安全保障に加わる必要から見ても、憲法を改正すべき必要性がある」と断言しています(『荒畑寒村著作集』第4巻、1976年、平凡社)。社会主義者荒畑寒村にも日本人としての「愛国心」があったのであり、そのことは嬉しく感じます。すべてを米国に依存し、独自の核抑止力を持たぬ日本は脆弱です。
しかし、ご案内のとおり、共産党には日本人としての愛国心がありません。戦前の自由主義者河合栄治郎は「『万国の労働者団結せよ』というマルクスの言葉があるが、その考えが共産党に出て来る。日本の共産党でも、戦争が起これば、例えば日本とソ連が戦争をすれば、日本が勝つことを希望しないで、むしろ敗ける方がよいと思う。いわゆる『敗戦主義』である。そうして、敗けて資本家階級が非常に弱った時に内乱を起こして、政権を取ってプロレタリアのものにする。そういう意味に於てだけ戦争に意味がある」(河合栄治郎著『社会思想と理想主義』河合栄治郎全集第13巻、昭和57年、社会思想社)と言っています。
日本共産党は現在でも「わが党は、戦前において侵略戦争に反対した唯一の党である」などと宣伝していますが、「戦争反対」の目的が「労働者の祖国ソ連」を守るためであったこと、コミンテルンの指令によるものであったことは、否定できないでしょう。当時の日本共産党はコミンテルンの日本支部でした。1928年のコミンテルン第6回大会では「帝国主義諸国のプロレタリアは、この戦争において単に自国政府の敗北のために闘うだけでなく、ソビエト政権の勝利のために積極的努力をはらうべきである」と決議しています(鍋山貞親著『鍋山貞親著作集』下巻、1989年、星企画出版)。(おわり)
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