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2015-04-27 00:00
反プーチン選挙連合の結成に動くロシア野党
飯島 一孝
ジャーナリスト
2月に暗殺されたロシア野党指導者ネムツォフ氏が共同代表を務めていた「共和党・国民自由党」と、リベラル派のナバリヌイ弁護士が党首の「ロシア発展党」は4月17日、来年末の下院選に統一候補を擁立して臨むことを宣言した。ネムツォフ氏の暗殺を機に民主勢力結集の機運が高まってきたためで、議会で絶対多数を占めるプーチン与党体制に風穴を開けることができるかどうか注目される。インタファクス通信によると、両党は政治連合を結成し、下院選に統一候補を擁立して闘うことを決めた。また、両党は国家の未来に責任を持ち、現政権が維持する不公平、「虚偽と汚職」政治に対抗できる唯一の政治勢力であり、今年から来年にかけて実施される各種の選挙に全力を挙げるとしている。
さらに、両党は来年末の下院選に向けて共和党・国民自由党をベースに統一候補を擁立する仕組みを決めるとともに、「両党と価値観を共有する人々に門戸を開いている」として、幅広い民主勢力の結集を呼びかけている。今回の動きは、暗殺されたネムツォフ氏が進めていた野党勢力の合同提案から始まった。18日の経済紙コメルサント(電子版)によると、ネムツォフ氏は暗殺される直前、ナバリヌイ氏と元石油王のホドルコフスキー氏が共和党・国民自由党に共同代表として加入するという条件で、民主政党の合同を提案していた。だが、合同するには手続きに時間がかかるため、今回の選挙連合になったという。
プーチン氏は2000年に大統領に就任して以来、保守勢力を糾合して圧倒的な政権基盤を築いている。これに対し、民主勢力は強力な指導者がいないうえ、政権側が政党結成などに厳しい条件を付けたことから幅広い結集が困難になっている。このため、共和党・国民自由党の共同代表だったカシヤノフ元首相とナバリヌイ氏は比較的容易な選挙連合を選択したとされる。だが、野党の中では一定の支持を集めている政党「ヤブロコ」(リンゴの意味)がこの連合に加わらないと明言していて、選挙連合がどの程度広がるかは不透明な情勢だ。
反プーチン運動に不屈の闘志を見せたネムツォフ氏の暗殺をきっかけに、ウクライナ紛争で強硬姿勢を崩さないプーチン大統領に対抗するためには民主勢力を結集するしか方法はないとの機運が高まってきた。ネムツォフ氏の遺志を継いで反プーチン運動を強化するには、議会で民主勢力の議席を増やしていくのが最善の策だ。今度こそ、民主勢力は小異を捨てて大同団結するべきではないか。
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