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2015-06-09 00:00
(連載2)ユネスコ世界遺産は初心に帰れ
中村 仁
元全国紙記者
日本の場合、登録数は18で、京都・奈良の文化財、広島の平和記念碑(原爆ドーム)はそれに値する価値があっても、石見銀山、富岡製糸場あたりになるとどうでしょうか。日本人は国際的なレッテル貼りに弱いうえ、さらに世界遺産を観光資源と勘違いをしているようですね。日本では、「観光資源の国際的な格付け」の意味で、歓迎されているのです。
本来は「武力紛争、自然災害、都市開発、観光開発によって、危機にさらされている危機遺産を救う」のが目的だったはずです。エジプトのアスワンダム建設でヌビア遺跡を水没から守る運動を米国が先頭に立って始めたのが、世界遺産思想の始まりだそうです。つまらぬ遺産を次々に指定、登録するのは、そろそろやめにしたらどうでしょうか。
英国で始まった産業革命遺産の保護、保存は価値があります。それに対し、日本なりの産業革命遺産は、なにもユネスコのお墨付きもらう必要はなく、日本独自に保護、保存すればいいのです。石見銀山、富岡製糸場のときもそう思いましたね。ユネスコもだらだら続けるではなく、保存、保護の現状を総点検したらどうですか。「本来の教育・科学・文化機関のユネスコというより、世界遺産で知名度を上げているユネスコ」などといわれるのは恥でしょう。
ネパール地震で世界遺産が崩壊し、イスラム国の暴挙で中東の世界遺産が破壊され、これらをどうするかのほうが大切な問題です。修復に資金がかかるようでしょうから、今後、どう調達するか。そうしたことが必要なのは、ネパール地震やイスラム国紛争に限らないはずです。(おわり)
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