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2015-06-28 00:00
(連載1)安保関連法案の国会審議とアベノミクス
角田 勝彦
団体役員、元大使
6月22日、現在の通常国会の会期(6月24日まで)が9月27日まで95日間延長された。安保関連法案を是非とも今国会で成立させようとの安倍晋三首相の強い決意を示すものである。当然衆議院での強行採決と憲法59条の「参議院の60日ルール」(衆議院通過後60日を経ても参議院が採決しない場合、否決とみなして衆議院の3分の2で再可決できる)も視野に入れての行動だろう。
時間切れ廃案を狙う野党との攻防が遅くも7月中旬には激しくなろう。そのとき公明党(「平和の党」)がどう動くかが安保関連法案の成否を左右しよう。なお、この関連で影響を与えるかも知れないのは、中国の動きなど国際的要因と並び国内経済情勢である。景気が良くなれば安倍政権への支持率も上がるだろう。最近の動きはアベノミクスの好調を示している。9月の自民党総裁選は無競争だろう。
しかし、国会は暑い夏になりそうである。安保関連法案の国会審議は、延長国会に入って新段階に移った。理論闘争から力と権謀による政治的戦いの段階に変わったのである。政府は、「(砂川判決は)集団的自衛権の限定容認が合憲である根拠たり得る」と主張し、野党に加えて多くの学者や内閣法制局長官経験者の主張する違憲論を退けている。違憲・合憲の法理論闘争は国会では結論が出ない。憲法の有権解釈は最高裁判所にゆだねるほかない。そこで違憲判断が下れば国会は法改正を迫られ、提出した政府は相応する責任をとらねばなるまい。また選挙という国民の審判で政府が代わり、法改正により国会の採決が覆される可能性もあろう。
その意味で、本論壇の様々な主張は床屋政談に類するものとなった。筆者は何回かの投稿で「(内閣法制局の定義する)集団的自衛権」の違憲性を主張してきたが、いまさら論述を繰り返すつもりはない。ただ、例えば5月28日の衆院平和安全法制特別委員会で、安倍首相が「他国領域で武力を行使する海外派兵は自衛のための必要最小限度を超え、認められない」と答弁していることに注目したい。5月20日の党首討論でも「一般に海外派兵は認められていない。他国の領域で戦闘行為を目的に武力行使を行うことはない」と明言している。(限定されない)「集団的自衛権」そのものは首相も違憲としているのである。安保法制懇報告書とはほど遠いものである。(つづく)
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