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2007-02-13 00:00
日本企業は中国における人材確保と共同研究を考えよ
伊東道夫
会社員
中国のGDP(国内総生産)は、2002年に9.1%を達成すると、その後2003年10%、2004年10.1%、2005年10.2%を達成し、2006年度には10.7%台をキープするであろうと予測されている。2008年には北京オリンピックが開催され、2010年には上海万博が開催される予定で、更なる経済発展は誰もが予測するところだ。ただ、良い事ばかりではなかった。経済発展がもたらしたツケは、環境破壊や都市と農村との所得格差などの大きなマイナスをもたらした。しかも、最近、労働力に対する認識のズレが出始めている。それは、労働者の不足問題であり、沿海地区だけでなく、内陸部でも人手不足が深刻化している。そうなると、労働コストは高騰し、労働集約型の外資系企業は、中国以外の国での展開を望むようになる。
また、中国政府は「都市化」政策を掲げ、人口移動に関する規制を緩和し、農村人口を都市に移動させ、農村を豊かにしていこうとしている。この政策が進めば、もはや労働単価が上昇するのは時間の問題である。よって、労働集約型産業の中国離れが進む事が予想されるが、中国経済を行き詰らせないためにも、中国政府は自主技術、独自ブランドの開発を促す努力を行っている。最近その成果が出始め、中国企業も大きく発展してきた。ここで考えてほしいのは、これまで多くの投資を行い、技術的にも多大な寄与をしてきた外国企業は、今後中国で活路を見出す事ができるのであろうか。対策が必要な時期に来ていると考える。
また、中国としての魅力の一つに、大きな市場という概念があったが、現在昔のように13億人のマーケットを論じるのは、無理が生じてきた。13億人のうち8億人は農民であるということ、今後見込まれる富裕層といわれる人達は2億人ほどに留まり、高齢化も急速に進む事が予想される中、今後の消費拡大に期待できるかどうかは疑問とする意見も出てきた。
そういった中で、日本企業が取り組み始めたのが、現地化を促進する為の人材育成と人材確保である。中国で事業を行う場合、経営資源配分と効率化を考えた時に、中国の大学(院)の中にいる人材が注目される。各種の機器も安く調達でき、共同研究を行い易い。日本で確保が困難になってきている研究開発部門の人材を中国より調達するということが可能になってきていると思う。今後は、付加価値の少ない低コストの労働力を求め、単純な利益確保だけを考えるのではなく、将来性を見越した優秀な人材確保と共同研究によって、更なる企業の発展に向けて考える時期がやってきたのではなかろうか。
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