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2015-10-11 00:00
教育における政治的中立性
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
6月に公職選挙法が改正され、選挙権が18歳以上に引き下げられた。来年の参議院議員選挙から実施される。高校3年生の途中で18歳を迎えるため、高校生の一部が有権者という状態になる。いきおい、高校における政治活動や選挙運動のあり方、学校における政治的中立性をどう担保するかが、課題として持ち上がっている。教育基本法14条では、政治教育について述べられているが、第1項は「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」とある。これはまさに、有権者として自らの意志に基づいて、投票によりその権利を行使するために、必要な主権者教育をしっかりやれということである。
文部科学省では実践的な主権者教育を行うための副教材を、間もなく全ての高校生340万人に配布予定である。政治や選挙の仕組みなどの基本的なものから、模擬議会や模擬投票など実践的な取り組みを行うためのワークシート、選挙運動として許されること許されないことなど、幅広いテーマを扱っている。一方の政治的中立性については、まず教育基本法14条2項に「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」と述べられている。そして昭和44年に当時の初等中等教育局長が発した「高校における政治的中立を求める通知」がある。これは当時大学紛争が高校に波及したために出された、かなり抑制的な通知である。
この通知は高校生に有権者がいないことを前提としているので、明らかに見直ししなければならない。その方向性はまだ明らかではないが、高校生の学校内での選挙運動は自粛するとともに、教員が指導する際に、政治的中立性を確保することが求められるはずである。
ただし、これまでの中立は、何も教えないことで担保されていた嫌いがあり、主権者教育を実施することが困難になってしまう。これからの中立は、様々な政党があり、様々な意見があることを教員がきちんと紹介し、生徒たちの自由闊達な議論を通じて、態度を決めて行くような環境を作ることである。新聞も出来るだけ複数読み比べて、考えさせることが重要である。
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