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2015-10-13 00:00
(連載1)TPPへの中国参加の呼びかけを維持せよ
角田 勝彦
団体役員、元大使
10月7日第3次安倍改造内閣が発足した。守りを優先した改造と低評価され、支持率は多少増加したが小幅である。安保関連法の成立後も、とくに集団的自衛権行使には否定的意見が多い。安倍首相はアベノミクスの新3本の矢を発表し、軸足を経済・社会に移して政権の安定を図ろうとしている。基本は経済成長で、その成否は10月5日に大筋合意した環太平洋経済連携協定(TPP)の可能性によるところ大きい。中国経済減速、米国利上げ検討、さらにVW問題などからリスクが増大してきた世界経済にとってもTPPの成功は重要である。自由化の拡大が重要である。
TPPは、政治的に、アジア太平洋地域の覇権を狙う中国牽制の意味も持つ。安倍首相は10月6日の記者会見で、TPPの意義を「アジア・太平洋地域に自由、民主主義、基本的人権といった基本的価値を共有する国々と開かれた経済システムをつくり、経済面で法の支配を強化する」と説明し、TPPが日本の安全保障にとって重要な役割を果たすとの認識を強調した。確かにその意味はあるが、TPPについては、まず経済的意義を考えるべきであろう。TPPによる自由貿易の促進が世界と日本にプラスの経済効果をもたらすことには疑う余地がない。世界貿易機関(WTO)の貿易自由化交渉(新ラウンド)が難航し2国間自由貿易協定(FTA)が自由化の主流となってきたが、TPPは大型にせよもう一つのFTAとなってはならない。ロシアが懸念するように経済ブロック化しないことは当然として、12カ国以外の国、とくに中国を引き込む努力が重要だろう。
最近の世論調査によれば第3次安倍改造内閣への支持率は、9月19日安全保障関連法が成立した直後の前回調査より多少増加し、不支持率と拮抗するに至った(読売によれば支持率46%、不支持率45%)。改造は主要閣僚ら9人と党4役を留任させる「安全運転」を意識した布陣をとり、女性増や話題性のある人物起用などの「サプライズ」のない改造劇となったため、支持率増は小幅だった(読売で5ポイント増。2014年9月の第2次改造では女性登用などから13ポイント増だった)。
なお安保関連法の成立後も、とくに集団的自衛権の行使には否定的意見が多い(日経の10月世論調査で「集団的自衛権の行使に反対」55%、賛成27%)。すでに無効確認や廃止を求めた訴訟も続出している。ただし最高裁が昭和27年に「具体的な事件を離れ、抽象的に合憲性を審査する権限は有していない」との判断を示しているため、提訴された裁判所は、これまで内容を審理しないまま、訴えを門前払いしている。(つづく)
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