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2015-11-13 00:00
岡田克也・民主党党首に残された選択肢
赤峰 和彦
自営業
11月10日、11日の衆参各予算委員会(閉会中審査)を見ると、民主党はすでに分裂状態にあると感じました。質問者は、共通して安倍政権批判をしているのですが、同じ政党の議員かと思うほど意見が異なるのです。たとえば、前原誠司氏は財務省の代理人のような発言、徳永エリ氏は共産党系市民団体さながらの発言、小川敏夫氏は社会党時代に先祖返りをしたような発言など、党としての統一性が全く見られませんでした。もはや民主党は政党とは言えず、単なるグループの集合体です。この迷走の原因は、執行部内での意思疎通が出来ず、政策的な統制が効かなくなったためでしょう。これは、先の国会での安保法制審議で敗北した反動によるものです。
岡田氏はお金の集め方と使い方が下手です。そのため党内では面倒見が良くないので、回りに人が寄ってきません。本人はそれでいいと思っているのですが、人徳が無いので、信頼に足る参謀や側近がいません。これが岡田氏の判断を鈍らせている原因になっています。岡田氏は海江田前代表の辞任で再び代表の座に返り咲きましたが、党内融和のための人事で躓きました。幹事長に枝野氏を、政調会長に細野氏を配しましたが、細野氏とはそりが合わず、枝野氏を重用しています。共産党に親和性のある枝野氏の影響力は大きく、いつしか岡田氏は共産党の主張に接近してしまいました。安保反対集会での「みなさんが頼りです」という発言や、安保後に共産党が提起した「国民連合政府」構想などに興味を示していたのは、そのためです。ところが、党内には共産党に反発し維新と組みたがるグループも存在します。また、安保法制廃案の党方針を不本意だと発言する細野氏や、外相経験者である松本剛明代議士の離党があり、党内の意見はまとまりがつきません。この混乱の元凶は、代表である岡田氏の心の揺れです。
岡田氏は、古巣の自民党を打倒して、政権を握り、総理大臣になりたい、という思いが強いようです。仮に政権を担ったら、アメリカとも中国とも仲良くやって行きたいと思っています。櫻井よしこ氏から「民主党政権下の外務大臣のときに集団的自衛権は必要と発言していた」と指摘されたように、岡田氏が安保法制に反対していたのは、単に安倍政権が提案したから反対していたにすぎません。また、中国や韓国が安倍政権を敵視しているから、「敵の敵は味方」という認識で同調しているだけです。必ずしも、一部の議員のような中国や韓国に隷属する考えではありません。実は、岡田氏は今でも自民党を飛び出したことを後悔しています。もし残っていれば総理候補になっていたと思っています。そんな岡田氏がいま民主党の党首になっている姿を見るにつけ、変わった政治家との印象があります。
民主党は、無派閥の岡田氏が代表なので、どうにか政党として保たれているだけです。前原氏や細野氏は、維新と連携して、解党すべきだと考え、枝野氏と細野氏は、共産党と積極的に選挙協力をすべきだと考えています。この状況では、岡田氏が代表を退けば、民主党は簡単に分裂してしまいます。元々、岡田氏は保守による二大政党制論者でした。かつて自民党の一年生議員時代、二大政党制を夢見て小選挙区制度の実現に向け力を注いでいました。岡田氏はその原点を思い出すべきです。現状のまま民主党解党の道を歩むのか、それとも、改憲を掲げて日本を積極的に守る保守として再生するのか、その選択は今しかありません。岡田氏が捨て身の覚悟で決断することを願っています。
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