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2015-12-14 00:00
還暦を迎えた自由民主党に望む
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
昭和30年11月15日に、当時の自由党と民主党が保守合同し、自由民主党が発足した。以来60年が経過したが、2度の下野を経験した4年間を除き、56年間にわたって政権の座を占めて来た。保守合同のきっかけは、当時の社会党右派と左派が合併したことにあり、危機感を感じた自由・民主両党は、それまでの骨肉の争いをかなぐり捨てて、合同の道を選んだ。
何故自由民主党がこんなに長く政権の座に付いていられたのか?多くの識者が触れるのは、「多様性」である。かつて自民党には5つほどの強力な派閥が存在し、その領袖が総裁候補となり、所属議員の選挙から資金援助までを引き受けていた。同じ選挙区から複数の自民党議員が出る中選挙区制度のもとでは、派閥は不可欠の存在となっていた。そしてそれぞれの派閥や領袖が持つキャラクターは、保守の範囲内ではあるが少しづつ違っているために、総裁派閥が代わる度に国民に対して「政権の擬似交代」という印象を与えて来たことが、政権を長持ちさせる肝であった。
しかし小選挙区制度導入以後は、党本部の力が強くなり、派閥の役割はどんどん減っていった。「擬似交代」のメリットも薄れ、正真正銘の政権交代が行われるようになった。現在では官邸の力も強くなり、自民党内ひいては国民各層の幅広い意見が尊重される状況から、かなり遠い距離に置かれることとなった。
我々自由民主党がこの先もずっと政権に居続けるためには、権力の集中を排除し、党本部が多様で幅広い意見を汲み取る姿勢を示すことが極めて重要である。経営学の大家であるP.ドラッガーは「全会一致の方針は採用しない」と述べ、我が国の優れた経営者も同様の格言を残しているが、政治の世界でもこの言葉は通用すると思う。
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