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2015-12-19 00:00
COP21の成果として注目する
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
同時テロで厳戒態勢のパリで、11月末から開催されていた気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)が、ようやく最終段階に到達した。テロ撲滅のためのISに対する空爆の強化など、安全保障に関する話題に隠れて、あまりマスコミも取り上げなかったが、一定の成果は挙げられたのではないか。各国の合意は「議定書」よりも緩やかな「協定書」としてまとめられたが、その内容は次のようなものだ。
(1)これまでは先進国のみに温室効果ガス排出量の削減目標が課されていたが、今回は新興国も、途上国もそれぞれ削減目標をコミットした。
(2)各国が表明した削減目標は、義務ではないが努力目標として、5年に一度見直しを行う。
(3)産業革命以後の平均気温の上昇を、最終的には摂氏2度あるいは1.5度に抑えることを目標とすること。
(4)途上国への環境関連の支援は、先進国とともに新興国にも担うことを求める。
私が注目したのは、これまでは受身であった途上国の態度が、自ら温室効果ガスの削減目標を発表するところまで改善したこと。また気温上昇の限度を最大2度に抑える必要を、多くの国が認識したことである。2度を超えると、温暖化がコントロールの効かない事態に追い込まれるという。
今回はあまり日本の出番は用意されなかったのが残念である。2011年の東日本大震災以来原発が停止し、化石燃料を大量に燃やさなければならないこと、太陽光発電は過剰気味だが、その他の再生可能エネルギーの普及がまだまだ緒に付いたばかりであることで、やや肩身が狭いのである。しかし中長期的に見れば、温暖化ガスの排出量を減らす技術、環境を修復する技術は世界に誇れるものを持っている。この強みを活かしつつ、またCOP3の際の「京都議定書」の取りまとめで発揮したリーダーシップを再構築すれば、地球温暖化という人類の大問題に、必ず顕著な貢献が果たせるはずである。
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