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2015-12-22 00:00
(連載1)アベノミクスと衆参同日選挙
角田 勝彦
団体役員、元大使
安倍内閣は、来年夏の衆参同日選の実施を念頭においているようで、その勝利のため「経済最優先」のスローガンの下、消費税軽減税率大幅導入などかなり強引な政権運営を行っている。支持率を下げる可能性がある安保関連法関係の諸決定を選挙後に先送りしたり、野党の分裂を図ったりしているのもそのためである。問題は米利上げと原油輸出再開のような国際環境の変化もあり、本命の経済成長の目標(GDP実質2%、名目3%成長。2020年頃名目GDPを600兆円に増やす)の達成が容易ではないことである。TPPと規制緩和もどのていど経済の効率化に資するか未定である。
「経済最優先」は国民の支持を得て内閣支持率は安保関連法の国会審議で急落する前の水準に戻ったが、実績が伴わないと目眩ましやバラマキなどで糊塗するのは難しくなる。これまで華々しく上昇してきた株価にも影響しよう。野党中心の安保関連法反対派も共同戦線を組みつつある。沖縄もある。株価の維持に注意を奪われていると安倍1強体制には思わぬ影がさすことになろう。12月17日の9年半ぶりの米利上げは軟着陸でおさまりそうだが、原油価格の低落や中国経済の不調などから国際経済の先行きはけっして明るくない。新興国への資本流入には終止符が打たれたようである。中国による新興国への隠れ債権が表面に出る可能性もある。
10月7日発足した第3次安倍改造内閣は、「経済最優先」で政権運営に臨みアベノミクスの「第2ステージ」すなわち「新たな三本の矢」を推進するとしている。すなわち「GDP600兆円」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」である。これで「1億総活躍社会」(「50年後も人口1億人を維持」「誰もが家庭、職場、地域で充実した生活を送れる社会」)を実現するというのである。国民会議も担当相もできたが、実施の方策も実現の可能性も不確かである。
さらに問題なのは第一ステージの所期の目標、たとえば2%のインフレ目標が達成されていないことである。アベノミクス(金融政策、財政出動、成長戦略の3本の矢)は、まず1997年以来の長引くデフレを日本経済の最大の問題として「デフレ退治と日銀改革(政府と日銀が政策協定を結び明確なインフレターゲットを設定する)」を約束した。2%を目標として日銀に実現を義務づけるいわゆるリフレ政策の導入である。(つづく)
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