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2007-03-03 00:00
連載投稿(2)目玉は重油獲得の「取引き」に非ず
吉田康彦
大阪経済法科大学客員教授
日本のメディアは、6カ国協議の合意が寧辺の核施設放棄のための稼動停止と封印の見返りに重油5万トン、さらにすべての核計画の申告とすべての既存の核施設の無能力化の見返りに95万トン、総量100万トンを提供するという「取引き」にばかり注目しているが、ピント外れも甚だしい。重油提供の量はむしろ少ないのだ。
クリントン政権下の1994年の「米朝枠組み合意」では、米側は寧辺の核施設凍結の見返りに、軽水炉2基ならびに完成までの間毎年50万トンの重油提供を約束、実際に2002年に停止されるまでの7年間に総量350万トンの重油が北朝鮮に搬入されていたのだ。それに比べると全量の100万トンは年間総消費量にも満たない。北は当初400万トン、次いで200万トンを要求、しだいに要求のレベルを下げていったが、それより、彼らが重視する「取引き」があったからだ。
「北京合意」で北朝鮮が最大の外交上の勝利と見なしているのは、「米朝国交正常化に向けて協議を開始し、テロ支援国家指定を解除する作業ならびに対敵通商法の適用を終了する作業を開始する」という項目である。米朝国交正常化と経済制裁解除こそ北朝鮮が悲願としてきたもので、そもそも核開発はそのための交渉カードとして始めたのだ。 (つづく)
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