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2007-03-04 00:00
連載投稿(3)金正日は「核」と心中はしない
吉田康彦
大阪経済法科大学客員教授
2月16日、北朝鮮が「核保有国として」金正日総書記の生誕65周年を祝賀したことからも、ひとたび手中にした核兵器を手放すことはないという見方が圧倒的に多いが、はなはだ表面的、皮相的な観察である。
今回の「合意」の基礎となっている2005年9月19日の「共同声明」では朝鮮半島の非核化を確認し、「合意」は「共同声明実施のための初期段階ならびに次の段階の措置」と位置づけている。米朝間に対立と緊張関係がなくなれば核保有する意味は薄れてくる。核廃棄に応じないかぎり、北に対する大規模援助は届かないことを金正日総書記は熟知している。
同時に2005年の「共同声明」は北朝鮮のNPT(核不拡散条約)復帰を謳っている。NPTは北を「核保有国」(条約上の表現は「核兵器国」)とは認めず、北は「非核保有国」としてNPTに復帰し、IAEA(国際原子力機関)の査察を受けなければならない。そうしなければ米朝国交正常化も進まず、援助も来ない。「核保有国」として事実上黙認されているインド、パキスタンと比較するエセ専門家がいるが、両国は当初からNPT非加盟国だ。
同様に、ウラン濃縮計画を隠匿し続けていても、兵器化のプロセスでいずれ露見することになる。小規模な秘密計画なら、これまでにも韓国、台湾、ブラジル、アルゼンチンなどが試みている。兵器化には大規模な工場建設が不可欠で、現在イランが中部ナタンツで挑戦している。1997年に採択されたIAEAの「追加議定書」に加入すれば、ウラン濃縮を含む秘密核開発はほぼ不可能となる。朝鮮半島非核化のために、北朝鮮も早晩、「追加議定書」加入を求められることになろう。すべて、北朝鮮が主張してきた「約束対約束、行動対行動」の原則で進められることになるのだ。(おわり)
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