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2016-02-15 00:00
(連載1)島田晴雄氏のアベノミクス論に同感する
角田 勝彦
団体役員、元大使
年初来の株価下落などから、アベノミクスの鼎の軽重が問われている。しかしアベノミクス相場の終焉は、アベノミクス、つまり日本経済再生の可能性の喪失を意味しない。アベノミクスの将来は成長戦略にかかっている。そして成長戦略の基本は、新科学技術への取り組みと規制緩和にある。
「アベノミクスは変質したのか?」と題する2月8日の島田晴雄氏の本欄への投稿を興味深く拝見した。2015年6月に閣議決定された成長戦略の内容などが空疎で、地方への補助金配分、低所得高齢者への総額3600億円にのぼる給付、消費税軽減税率制度など具体的施策は、経済よりむしろ今後の選挙目当てだろう、とのご指摘には私も同感である。私は、安倍政権が消費税再引上げ是か非かを国民に問うとの名目で衆参同日選を実施する予定で、これに勝利するため外交を含めすべての施策を講じていると見ている。ただしこれには4月衆院ダブル補選の結果の影響するところが大きいだろう。
さて、アベノミクス、とくに新3本の矢(「強い経済」「子育て支援」「社会保障の充実」)にこだわらず、肝心の「成長戦略」について考えてみよう。もともとの3本の矢は「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」であり、「成長戦略」の検討が不十分だったからである。アベノミクスは、主に日本銀行の金融緩和策で株高・円安をテコに企業の賃上げを実現し、デフレを脱却する(「10年間の平均で名目3%、実質2%程度の経済成長を達成する」)という当初の狙いを実現していない。1月29日のマイナス金利導入という奇策も株高・円安の効果は一時的なものに限定された。相変わらずの黒田節はともかく、安倍総理も1月20日の参院本会議で「アベノミクス相場の終焉が近づいてきたとの認識があるか」と問われたのに対し「日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は確かなものと認識している」と答え、安倍政権の約3年間で企業収益や雇用・所得環境が改善した実績を列挙した。
しかし、年初来、安倍総理も一番気にして毎日チェックしているとされる株価の下落が際立っている。日経平均株価の年初来下落率は2割を超え、日経平均構成銘柄のうち約4割が2013年4月の日銀の異次元緩和前の水準に逆戻りした。日経平均株価(225種)の年初からの下落率は28営業日で21・4%に達し、2000年春のITバブルの崩壊時(4月13日からの28営業日で22%の下落)に迫っている。(2月14日日経新聞)。(つづく)
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