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2016-03-07 00:00
(連載1)アベノミクス:第二の矢と財政再建
島田 晴雄
千葉商科大学学長
アベノミクスが、経済成長と財政再建という二つの目的を同時に達成することを目指していることは国民も知っている。アベノミクスの三つの矢のうち、第二の矢は財政政策であり、それはとりわけ必要に応じて積極的、機動的に財政支出を行うことをうたっている。言い換えれば経済成長を促進するための財政政策である。一方、財政政策には、世界でも類例のない政府債務を抱える日本の財政を健全な形に再建する役割も期待される。安倍政権はこの二つを同時に達成すると標榜している。
経済成長を支える役割についてみると、デフレマインドに沈んだ経済をインフレマインドに活性化するという構造改革の過程では、成長を安定的に支えるために機動的に財政支出をする必要がある局面もあり、アベノミクスの第二の矢はこの面では確かに一定の役割を果たしてきた。
安倍政権は発足早々、2013年初めに20兆円の緊急経済対策を打ち、つづく大型年次予算、そして2013年秋には、翌年4月の消費税導入後の落ち込みを支える対策として5兆円、また2015年度には96兆円、2016年には96.7兆円という史上最大の予算、さらに2015年末に打ち出した「一億総活躍」戦略を支えるために、3.3兆円の補正予算を組んだ。こうした積極的な財政支出が、経済の落ち込みを防ぐ意味で一定の役割を果たしてきたことはそれなりに評価できる。
しかしその反面、財政政策のいまひとつの目的である財政再建の達成が困難になってきたことは否定できない。日本政府は2010年に財政再建計画を打ち出し、2020年までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)で財政均衡を達成することを国際公約した。すなわち、2010年に基礎的財政収支でGDP比6.7%(SNAベースでは32兆円)であった赤字を、2015年度に3.3%(同16兆円)に半減し、2020年度には均衡または黒字を達成するという公約である。これは民主党の菅直人政権の時に発表された計画だが、自民党の安倍政権でもこの国際公約は踏襲している。(つづく)
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