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2016-03-28 00:00
「民富んで、国栄える」であるべき
赤峰 和彦
自営業
消費税増税に慎重論が出ている中で野党は、「消費税増税の先送りは選挙目的」「政策がころころ変わる」などの批判をしています。しかし、消費税増税で日本経済がどうなっていくのかという本質的な議論は見られません。消費税増税問題が単に政党間の駆け引きの材料になっていることを残念に思います。他方、消費増税を積極的に推進しているのは財務省です。財務省は「国の借金は将来世代へツケを残すから増税すべき」という考えです。財務省の増税やむなしの観念は強く、与野党を問わず多くの政治家に影響を与えています。また、マスコミも財務省資料に基づいて経済記事を書くため、財務省の強い影響を受けています。経済評論家も然りです。政治家もマスコミも評論家も財務省の考えの受け売りになりがちです。
財務省の見解は、主として財政にかかわる数値資料に依拠しています。最初に国民の立場で物事を考えているわけではありません。だから、国の財政が赤字になったら、増税して埋めればよいという発想となります。この発想では、結果的に国家と国民を対立する関係で捉えがちになります。国家は国民を統制しなければならないと考え、国民の豊かさの論議は後回しにされてしまいます。財務省の話だけを聞くと、日本経済に対して危機感を抱きますが、国の借金の中身を見ると、外国に多額の借金があるわけではなく、国民が国にお金を貸しているだけの状態です。家計でいえば、よその家に借金しているのではなく、家族間で貸し借りをしている関係にすぎないのです。しかも、日本の対外純資産は、2014年末で約367兆円あり、世界最大の債権国の地位は変わりません。
消費税の増税をせずに税収を上げる方策として、例えば、公共事業への大胆な投資があります。公共事業は国民の生命、財産を守る極めて重要なインフラ整備であるとの考えに基づき、積極的財政出動をして国民を先に富ませることで、日本を豊かにする方法です。インフラ整備に思い切った公共投資をすることで名目GDPが数倍になり、それにともない税収が増え、公共投資分のお金は税収で回収できます。実際、国民が豊かになると、消費活動が活発になり、景気は上向き、経済活動は好循環を生み出します。その結果、国家の税収が増えることになります。これはほんの一つの例ですが、政治家の皆様はもっとさまざまな方法を研究していただきたいと思います。
国家は国民の存在があってはじめて成り立ち、国民は国家という枠組みの中で平和と安全を享受できるという不可分の関係にあります。そのため、国家は常に国民の発展と幸福のために何をなすべきかを考え、また、国民は国家の繁栄のために寄与する、という関係性を強く築いていくことが、明日の日本を発展させます。「民富んで、国栄える」ということをくれぐれも忘れないでいただきたいと思います。
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