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2007-03-09 00:00
連載投稿(2)政治家の立候補年齢を引き上げよ
小山清二
特許庁先任審判官
選挙の立ち会い演説会の場所などは、学校などの公的施設は大いに開放していくことが好ましい。選挙に金のかからないようにするためには、演説会の場所の提供で対応して行くべくである。政治献金を制限することによっては、逆に政治の活性化を阻害し、効果無いことに思い至るべきであろう。現在のような厳しい政治献金の制限では、金持ち等しか選挙には出て来れないであろうし、有能な人材を担ぎ出すことすら出来ないであろうと思われる。
最近は政治家の老齢化が指摘されたり、官僚出身者や2世、3世議員の政治家が多くなって、活性化が喪失されつつあるのが危惧される。守りの姿勢に汲々としてきているのである。官僚は、安定や現状維持、従来のやり方の基本的踏襲を求めるのに対し、政治家は、現状を絶えず打破していく積極性を求められている。
ところが、官僚が政治家に転出するのは、能力よりも利権がらみであったり、行政能力が買われるわけであって、それが政治の官僚化となって現れてきている。官僚からの民間や政治家への転出は5年間ほどの待機期間を設けるべきだろう。事後収賄罪の5年の時効との絡みもあるし、政治家としての思考や姿勢の転換に必要な期間と思うからである。
また、国政を預かる政治家としては、残念ながら30、40歳ではヒヨコも同様で、政治家として何かを期待できると言うよりも、政治家として勉強をすると言ったところでしかないだろう。50、60歳でもまだまだ子供であり、正しい判断が下せるほどの人生経験に乏しいと言える。政治家にあって真に正しい判断が下せるのは、70、80歳になってからであろう。それ故に、政治家に定年制を設けるのは以ての外である。そして政治家に求められる素質とは、私利私欲を廃して、国家の大局に立って虚心坦懐に的確に判断を下せる能力であろう。何もスポーツマン並の体力ではない。従って若ければ良いというものではない。
むしろ逆に立候補できる年齢を40歳ぐらいに引き上げていくべきだろう。そうすれば、国民の税金で勉強させて貰うと言った見習い期間もなくなるだろう。国政にとって大事なのは、正しい判断が下せることである。若さや元気さではない。ここの勘違いが多いのは情けない限りである。政治家としては即実践家として役立ってもらわなけばならないのである。
立候補の年齢を引き上げていけば、単純に親の相続財産という選挙地盤を引き継いでくる者も次第に淘汰されるだろう。そうした政治家には大した苦労もなく、強烈な目的意識もなく、結果的には、生命を賭したような責任感も生まれにくくなるのは必然であろう。現在の日本の政治の停滞や先送り現象は、役人根性の蔓延であり、責任の先送り現象に他ならないのである。中には若くして天才的政治家もいないわけではないが、そうした数十年に1人という者のために、政治の荒廃や沈滞を引き起こしてはならない。そうした天才は政策秘書とか実業界や別の社会で充分に研鑽を積んでから政治家になっても決して遅くはないであろう。(つづく)
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