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2016-04-21 00:00
(連載1)アベノミクス:企業統治と資本市場
島田 晴雄
千葉商科大学学長
アベノミクスでは、2013、2014、2015年と3次にわたって成長戦略が打ち出された。私見ではそのうち、最も本格的な構造改革の取り組みが行われたのが、2014年6月に閣議決定された第二次成長戦略だった。構造改革は一定の成果も挙げたが、課題も残された。ここではもっとも成果が挙がったといえる企業統治と資本市場の改革について振り返ってみよう。
なぜ企業統治と資本市場の改革が重要なのか。1970年代から80年代にかけて世界を席巻するかに見えた日本企業の競争力が、近年の世界競争の中で立ち後れる傾向が顕著になっているが、それはグローバル市場の激しい変化を敏感にとらえ、迅速に戦略を展開しえない企業の難点、また本来、活用できる資本が効率的かつ効果的に活用されないといった資本市場の欠陥など構造的弱点が背景にあるように思われる。
先進国企業を追うかつてのキャッチアップ段階では、日本企業は先進技術を迅速に吸収するために経営資源を企業内に凝集することが求められたが、先進国となりグローバル競争の先頭に立つべき現代では、そうした閉鎖性や集団制はかえって障碍になる。アベノミクスの成長戦略では、そうした構造的難点を克服するために、企業の開かれた意思決定と資本の活用を促進するために、以下(1)~(5)のような改革を推進した。
(1)会社法改正による社外取締役の導入
2014年6月に会社法を改正し、企業は社外取締役を最低1人は導入すべしとした。義務化は見送られたが、しない場合はその理由を株主総会で説明しなくてはならないので、多くの企業が社外取締役を選任した。米欧先進企業では社外役員の役割が極めて大きく、開かれた戦略的意思決定ができるとされている。社外取締役の導入は、これまでの日本企業の閉鎖性を打破する手段と期待されている。(つづく)
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