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2016-06-21 00:00
(連載2)迷妄の日本核武装論
赤峰 和彦
自営業
日本の外交力は安倍政権の発足とともに大きく変わりました。積極的平和主義に依拠するその外交姿勢は、世界中の国々の日本への信頼度を高め、G7会合で見られたように日本の占める位置や影響力が大きくなっています。また、近隣のASEAN諸国やアジア・アフリカ諸国からも信任を得ています。国際社会の平和と安定を具体的な行動によって支援する国として、日本の役割が期待され、その存在が不可欠となっているのです。
日本は唯一の被爆国であり、核の悲惨さを知っているからこそ、その核兵器廃絶の訴えは国際社会において説得力をもっています。オバマ大統領は、G7後の広島訪問の際、つぎのように述べました。「より高い信念という名の下、どれだけ安易に私たちは暴力を正当化してしまうようになるのか。どの偉大な宗教も、愛や平和、正義への道を約束するにもかかわらず、信仰こそ殺人許可証であると主張する信者たちから免れられないのです。自分たちとは違う人々を抑圧し、人間性を奪うため、こうしたものと同様のストーリーが頻繁に利用されたのです。私たちの心を変えなくてはなりません。戦争に対する考え方を変える必要があります。紛争を外交的手段で解決し、紛争を終わらせる努力をしなければなりません。平和的な協力をしていくことが重要です。暴力的な競争をするべきではありません。私たちは、破壊をせず、築きあげていかなければなりません。なによりも、私たちは互いのつながりを再び認識する必要があります。同じ人類の一員としての繋がりを再び確認する必要があります。つながりこそが人類を独自のものにしています。核を保有する国々は、勇気を持って恐怖の論理から逃れ、核兵器なき世界を追求しなければなりません。」
また、安倍総理は、このようにスピーチしました。「すべての人命は、かけがえのないものです。私たちは一つの家族の一部であるという考え方です。これこそが、私たちが伝えていかなくてはならない物語です。世界中のどこであろうとも、再び、このような悲惨な経験を決して繰り返させてはならない。この痛切な思いをしっかりと受け継いでいくことが、今を生きる私たちの責任であります。」
彼らはまさに宗教家が語るべき言葉を世界に向けて発信したのだと思います。改めて、核なき世界をつくることが日本の使命であることをしっかりと胸に刻みたい、と思っています。(おわり)
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