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2007-03-19 00:00
従軍慰安婦問題ネガティブ・キャンペーンに至急対処せよ
角田勝彦
団体役員・元大使
セックス・スレーブ(性奴隷)という汚い言葉が、米国一流マスコミの見出しにまで登場するようになった。「ザ・レイプ(強姦)・オブ・南京」(アイリス・チャン)と並び、清教徒的伝統が強い米国の良き市民(及びそれを代表する良識ある議員)に対し日本をおとしめる効果は、靖国問題どころではない。人権問題として拉致問題より重要とする北朝鮮の主張に与する者も出ている。私は1月22日の「国際的発信力の強化のために」と題する投稿で「ネガテイブ・キャンペーンには断固反論しなければならない」と説いたが、従軍慰安婦問題は、まさにそのケースである。
幸い温家宝首相の訪日を控え、人民日報など中国各紙は3月12日、安倍首相が11日にいわゆる従軍慰安婦問題に関して「心からおわびを申し上げている」と語ったことを一斉に報じ、事態の沈静化を図った模様である。韓国については、先方の国内政局もあり当面どうしようもなかろう。要するに、米国における対処が重要である。4月下旬とされる安倍総理の訪米も、一般市民をまじえた反日デモに見舞われかねない。
1993年の河野談話の見直しを求める声は強い。民主党内にも、3月9日「慰安婦問題と南京事件の事実を検証する会」(仮称)という議連が発足した。しかし、行うと決断するとしても見直しに必要な調査には時間もかかろう。見直しの影響も勘案しなければならない。たとえばシーファー駐日米大使は、9日「河野談話から後退すれば(従軍慰安婦をめぐる米下院決議案に)破壊的な影響を与える」と述べている。また、安倍総理が国会で慰安婦問題で狭義の強制性を裏付ける証拠はないと発言したあと、米下院決議案の共同提案者は当初の6人から共和党を含む42人に増えたと伝えられる。
それでは、どうすべきか。謝罪済みと説明する従来の(外務省などの)対応は、一定の成果は得ている。慰安婦問題について日本は再度謝罪する必要があるかどうか、米ケーブルテレビCNNが3月上旬ウェブ上でアンケートを実施したところ「ノー」という回答が「イエス」の3倍になった由である。しかし、謝罪一辺倒では納得できないとの意見には妥当性がある。日本軍が総数20万人もの女性を組織的に強制徴用したとの不名誉な糾弾(ちなみにNHK教育テレビは2001年1月30日、シリーズ「戦争をどう裁くか」の2回目として、従軍慰安婦問題をめぐる「女性国際戦犯法廷」を取り上げ、いろいろ物議をかもした)に腸が煮えくりかえる方がいるのは良く判る。それに、これでは謝罪が足りないとの批判がずっと続こう。
反論が必要との考えから河野談話見直し論が生まれた。その他米国を含む各国の例などを挙げる反論もある。しかし、もっとも有効なのは曲げられた事実を正すことである。「ザ・レイプ(強姦)・オブ・南京」やマイク・ホンダ下院議員提案の下院決議案には多くの事実誤認がある。加藤駐米大使も下院外交委員会の公聴会で「決議案には事実に基づかない部分が多々ある」という公式声明を出した由である。この事実誤認を広く知らしめるのが一番である。確信犯的に日本をおとしめようとする者はいるにしても、リベラル派を含め米国市民の良識と公平性は信頼すべきである。マスコミなどに対抗する手段もある。インターネットである。ただし政府広報は先入観をもって見られやすい。英語により「事実に基づかない部分」を指摘する簡明な反論(詳細な部分はクリックしてその部分へ飛べるようにする)を作成し積極的に広範囲に流すことこそ、私が日本国際フォーラムを含め我が国各種民間機関に期待したい役割である。
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