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2016-09-12 00:00
(連載1)米国の影響力低下と日本の対応
四方 立夫
エコノミスト
今回のG20サミット並びに一連のASEAN会合は終始中国のペースで行われ、米国の影響力低下を印象付けるものとなった。中でも仲裁裁判の勝者であるフィリピンが南シナ海問題で終始消極的な姿勢を見せ、ドゥテルテ大統領とオバマ大統領の首脳会談のキャンセル、並びにドゥテルテ大統領の米国とASEANとの会議の欠席、などにより「米比同盟」の危うさを衆目に曝し、他のASEAN諸国も中国に引きづられ、「法の支配」を唱える日米の主張が宙に浮く形となったことは痛恨の極みである。
ウクライナ問題発生に際しオバマ大統領が当初から「武力によらない話し合いによる解決」を主張したことがロシアによるクリミア併合を既成事実化することとなり、このことが中国による南シナ海の埋め立て及び軍事化を招き、更に仲裁裁判の判決無視をもたらしたことは誠に遺憾である。
一方、北朝鮮は1994年の「核危機」以来、6ヵ国協議をはじめ多くの会議や合意を実施したにもかかわらず、結果的には北朝鮮に核とミサイル開発の時間を与えたのみとなり、今回核弾頭の爆発実験に成功したことは、同国の核の脅威が現実のものとなったことを示すものである。中国は北朝鮮に対する「非難」には国際社会と同調しているものの、貿易はほとんど従来と変わることなく継続しており、「北朝鮮問題」は「中国問題」の一部でもある。一連の事象の背景には、中国と米国を中心とした自由主義陣営との Balance of Powerが中国に傾いていることがあり、先ず中国に対する自由主義陣営の抑止力を向上させ、Balance of Powerを回復することが喫緊の課題である。
かかる状況下、もはや誰が次期米国大統領に選ばれようとも、我が国としては「日本は米国に基地を提供し、米国は日本を守る」を所与として安閑としていることはできず、今後とも日米同盟強化並びにオーストラリアおよびインドとの戦略的パートナーシップの確立を図ると共に、「自分の国は自分で守る」との当然の強い決意をもって、以下に述べる4つの対策を直ちに実行に移すことが必要不可欠である。(つづく)
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