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2016-12-19 00:00
日本共産党の目指す「野党連合政権」とは何か?
加藤 成一
元弁護士
日本共産党は、昨年9月には「戦争法廃止」「立憲主義回復」のスローガンを掲げ、野党や国民に向けて『国民連合政府』構想を提唱したが、本年11月15日の第7回中央委員会総会では、これを「安倍政権打倒」中心のスローガンに変えて、今度は、「野党連合政権」の樹立を提唱している。これは、もはや「戦争法廃止」「立憲主義回復」のスローガンを掲げた「国民連合政府」構想では、民進党などの野党との共闘が困難になったからであろう。
共産党は、これまでも党の重要方針をしばしば変えてきた。古くは、1945年の敗戦後の一時期は、アメリカ占領軍を「解放軍」と規定し、「愛される共産党」のスローガンのもとに「占領下平和革命路線」をとっていた。しかし、1950年にコミンフォルムから平和革命路線の批判を受けるや、一転して、交番襲撃、警察官へのテロ行為などの『暴力革命路線』に変わった。
このため、国民の支持を失い、その後の国政選挙で惨敗すると、1955年の共産党第6回全国協議会(六全協)では、「極左冒険主義」を自己批判し、「選挙闘争」を中心とする「平和革命路線」に戻った。共産党は「革命が平和的か暴力的かは敵の出方による」という、いわゆる「敵の出方論」を今でも否定していない。今でこそ「野党連合政権」の樹立を提唱しているが、「野党共闘」に基づき一旦政権をとれば、「社会主義革命路線』に一変する可能性は排除できないであろう。
今回の共産党の「野党連合政権」樹立の提唱は、先の参議院選での東北地方を中心とする「TPP反対」など「野党共闘」の一定の成功や、「柏崎刈羽原発再稼働反対」などで野党が共闘した新潟県知事選挙の勝利に基づくものと考えられる。しかし、共産党の重要方針が、その時々の政治情勢によって、しばしば変転してきた同党の歴史を、国民はしっかりと認識しておく必要があろう。
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