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2017-12-26 00:00
(連載1)プーチンの「誰が平和条約を締結するかは重要でない」発言について
袴田 茂樹
日本国際フォーラム評議員
ベトナムのダナンで11月10-11日にAPEC首脳会談が行われた。11日の記者会見でプーチン大統領は日本人記者の日露関係に関する質問に関して、無視できない発言をしている。また、ロシア政府が事前に公表したトランプ大統領との公式首脳会談が行われなかった背景についても、プーチンおよびペスコフ大統領報道官が興味深い発言をしている。後者も日露関係を考える参考になるので、紹介しておきたい。なお大統領発言は、大統領府サイトに依拠している。
まず、日本人記者は次のような質問をした。「あなたは(衆議院)選挙での安倍政権の勝利により、われわれの全ての計画が実現できるようになった、と述べたが、『われわれの計画』には平和条約締結が含まれるか?さらに、この計画の実現(平和条約締結)には恐らく何年もかかるだろう。このことは、あなたはもう1期大統領をされるということか?」ちなみに、大統領選挙は来年3月に行われる。
周知のように、安倍首相はプーチンに、「私たちの責任で平和条約問題を解決しよう」と、幾度も熱っぽく呼びかけた。さらに首相は、この問題解決のためには、両国に安定した政権と両首脳間の信頼関係が重要だとも述べている。現在まさにその状況にある、との含意である。昨年9月のウラジオストクでの東方フォーラムでも、首相はプーチンに親しい関係でしか使わない「君」あるいはファーストネームで呼びかけて「二人で歴史的な決定をしよう、その責任を君と共に担おう」と情熱的に呼びかけた。
日本記者の質問に対するプーチンの返答だが。彼はまず、平和条約交渉には日米安保条約に関わる複雑で微妙な問題が多くあると示唆した。それゆえ交渉は長期にわたるだろうとした上で、平和条約締結に関しては「そのとき誰が政権についているか、安倍、プーチンか、あるいは誰か別の者か、ということには関係がないし、そのことは重要でもない」と述べたのだ。これは首相の「われわれ二人の責任で歴史的決定を」という提言の事実上否定だ。プーチンは当然3月の再選も視野に置いて発言している。つまり、2024年までの任期中に、平和条約を締結するつもりはないと述べているのだ。(つづく)
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