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2018-02-06 00:00
(連載2)米国の新国家戦略とトランプ政権のTPP政策
袴田 茂樹
日本国際フォーラム評議員
今回の米国の2つの新戦略は、明らかにこのポストモダニズムから乖離するものだ。またトランプ氏のTPP発言は、まだ曖昧な要素が多いが、これまで彼が目玉としてきた自らの政策の基本を問い直すものと言える。冒頭において、過去30年間にわたり欧米や日本で流布した国際政治や安全保障の考え方を問い質すものと私が述べた意味も、読者にはご理解頂けると思う。トランプ政権の政策がどれだけ安定的なものか、疑問は多い。しかし、トランプ政権の新たな国家戦略が実行されるとすれば、それはわが国の対露、対中政策にも直接深く関わってくる。
安倍首相はプーチン大統領と個人的に親密な関係を結んで、経済協力にも前向きの姿勢を示している。しかしプーチン氏は日本を米国の属国と見ており、米国と安保条約やMDシステムなどで軍事協力することに強く反発し、あるいはそれを口実にして北方領土問題の解決も事実上無期限に延期している。というより、今や日露間の領土問題の存在を否定しており、その解決の意思も有していない、と断言しても間違いではないだろう。ただ、日本との政治、経済、安保関係などを戦略的に維持するために、平和条約問題で時に気を持たせる発言を繰り返しているだけだ。今では多くの日本国民も、相当はっきりとそのことに気付いており、官邸やその周辺はいったい何を考えているのだ、と感じている。
また安倍政権は昨年半ば頃から、中国の一帯一路政策に前向きの姿勢を示しつつある。今年は首相が訪中する意向を示し、習近平主席の訪日も求めている。一方では、安倍首相がトランプ大統領と最も密接な関係を今後も維持することは、当然のことと見なされている。
大きく変化する大国関係の間にあって、わが国は米国、ロシア、中国にどのように対応すべきか。米国を敵視しているロシアに、親トランプの安倍政権は如何に対応するのか。中国への接近策を続けながら、中国を第1の脅威と見なして戦略を建て直している米国とどのように関係を構築するのか。わが国としても腰を据えたしっかりとした戦略が必要である。(おわり)
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