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2018-07-04 00:00
トランプ大統領はなぜ国連人権理事会を離脱したか
赤峰 和彦
自営業
6月19日トランプ政権が国連人権理事会からの離脱を表明しました。昨年10月のユネスコ脱退表明に引き続いての国際枠組みからの離脱です。この背景には、トランプ大統領自身の国連のあり方そのものに関する疑念があるようです。トランプ大統領は国連人権理事会の主要なメンバー国に中国があることに不満を感じています。世界で最も多くの人権問題を抱えている中国が理事国であること自体が矛盾した組織であると考えているのです。また、国連関係者が人権問題を恣意的に取り上げたり、高額な運営資金を無駄に使ってきたことも背景にあります。トランプ大統領は、既成の概念や規範にとらわれずに行動をする人物です。トランプ大統領の今回の行動により、肥大化し機能マヒになった国連組織の実態がまた一つ明るみになろうとしています。
国際連合は、第二次世界大戦の連合国の集合体が原型です。両者とも英語表記はUnited Nationsとなっています。したがって、最初から加盟諸国を平等に扱う精神はありません。「国際平和と安全の維持」とは連合国だけのための謳い文句に過ぎません。国連とは常任理事会を構成する五大国のエゴが絡み合って何も決められない組織なのです。それにもかかわらず、わが国では「国連は国際平和をもたらす最高機関」との神話が出来上がっているため日本では、「外国からの侵略があっても国連軍が守ってくれる」という国連信仰が形成されました。筆者自身、そのような言説を小学校の授業で聞きました。
一方、共産党をはじめとする左翼政党の関係者は、国連に虚偽の情報を上げて国連の権威を使い日本政府への勧告を導き出そうとしています。事実、昨年に発表された217項目からなる対日勧告の中には、「旧日本軍の従軍慰安婦問題では中国と韓国が元慰安婦への誠意ある謝罪と補償、公正な歴史教育の実施」「特定秘密保護法による報道の自由の萎縮」などが盛り込まれています。
トランプ大統領の言動は一見、唐突に見えますが、共通していることとして機関、組織、政策などあらゆるものに対して、その理念と目的は何か、それが価値あるものとして存在しているのか、成果を上げているのかを厳しく問うていることがわかります。既存の思考にとらわれず大胆な変革を試みるトランプ大統領の言動をこれまでの通念だけで批判するだけでは本質を見誤ることになるのかもしれません。
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