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2018-09-26 00:00
篠田英朗教授の「欧州で日本の人口減少を考える」に思う
加藤 成一
元弁護士
篠田英朗教授の9月20日、21日付け本欄への連載投稿「欧州で日本の人口減少を考える」は、深刻な日本の人口減少問題と日本の経済成長政策にとって、重要な問題提起として注目される。篠田教授は、EU加盟諸国の経済成長は堅調であり、中でもオランダ経済は特に好調であると述べ、その原因として「規模の経済」を挙げ、EU加盟諸国が5憶人以上の共通市場を獲得したことの経済的意義は大きいと指摘される。篠田教授は日本の急激な人口減少、経済成長率の鈍化に強い危機感を持っておられ、所論に同感である。
しかしながら、篠田教授はこうした日本の課題に対する具体的な対策には言及されていなかった。そこで僭越ながら、筆者は、その対策として、日本政府による、(1)根本的な少子化対策、(2)移民受け入れ、(3)人工知能の活用による画期的な生産性向上、(4)TPPイレブンの早期推進、を提言したい。(1)については、政府は少子化の根本的原因を検証し、その除去解決に全力を傾注すべきである。考えられる対策は、出産・育児・教育に対する家庭の経済的負担の軽減である。出産については、第一子出産時に一律300万円、第二子出産時に一律400万円、第三子出産時に一律500万円の出産手当の交付は、出産に伴う経済的負担の軽減に有効であろう。育児については様々な育児手当の抜本的増額と、企業における法的な有給育児休暇制度の拡大確立が不可欠である。教育については幼児・初等・中等・高等・大学教育の一律完全無償化を行う。
(2)については、日本政府は年間20万人規模の移民受け入れを行うべきであろう。もとより移民受け入れに当たっては、本人の麻薬等の犯罪歴は厳しくチェックし、その他職歴や健康面など一定の水準を維持すべきである。移民を受け入れる以上は社会保障の面においても適切な処遇をすべきである。移民受け入れにより日本の生産労働人口は飛躍的に増大し、労働力不足が解消されるだけではなく、人口の増加により消費が増え有効需要が増大し、日本の経済成長にも有益である。米国、ドイツの移民受け入れによる活性化は参考になろう。(3)については、人工知能の全面的活用による各産業分野での生産性の画期的向上は、人口減少を補い、今後の日本経済成長の牽引車となろう。
(4)については、日本は一刻も早くTPPイレブン(環太平洋経済連携協定)を発進させ、アジア・太平洋地域における人口5憶人、GDP世界10パーセントの巨大な自由貿易市場の形成発展を主導し、そのダイナミックな潜在成長力を取り込むべきである。TPPイレブンが日本の経済成長とアジア・太平洋地域の政治的安定に有益であることは明らかである。TPPイレブンの発展次第では近い将来、韓国、台湾、香港、英国、米国などの諸国も加入することが予想される。日本政府は、以上(1)~(4)の政策を推進して、少子化問題を解決し、日本経済の力強い成長発展に全力を傾注すべきである。
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