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2018-12-21 00:00
2020年米国大統領選挙は民主党にとって厳しい戦い
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
2018年も押し詰まってきました。2019年ももうすぐですが、アメリカでは2020年のアメリカ大統領選挙に向けて、いろいろと動き出す時期です。挑戦者側の民主党ではいろいろな人たちの名前が出ては消えている状況です。ヒラリー・クリントンの名前も出てくるほどです。民主党の大統領選挙に向けて、ヒラリーで敗北したことを受けて、オバマ政権出身者が良いのではないかという話が出ています。バラク・オバマ前大統領、もっと言えば、ミシェル・オバマ夫人が支持を表明した人物が民主党の大統領選挙候補としてふさわしいという話が出ています。しかし、オバマ政権出身者ということになれば、こちらも複数おり、その中でもジョー・バイデン前副大統領とエリック・ホルダー前司法長官が、オバマ夫妻とオバマ政権出身者たちの支持を得やすいということになっています。
しかし、一枚岩とは言えず、どちらかということになると、遺恨が生じることも考えられます。ですから、オバマ夫妻も簡単には誰を支持するのかということは表明できないということになります。オバマ夫妻はこれからも民主党内で影響力を持つ、うまくいけばキングメイカーになるということを考えているでしょうから、ここで失敗する訳にはいきません。今年11月の中間選挙で、民主党は連邦下院での過半数、435議席を獲得しました。これを「ブルーウェイヴ(青い波、青色は民主党を示す色)」と喧伝するマスコミもありました。しかし、下に紹介する記事では、話はそう単純にはいかないようです。
民主党は左に寄り過ぎたために、左派が優勢な場所では勝利を得られたが、それ以外の場所では、左派出身の候補者は落選したということだそうです。民主党はバーニー・サンダースの台頭を受け、左派の人々を多く擁立したが、選挙区の事情に合わない人たちも出て来て、そういう人たちは落選したということです。そして、興味深いのは、今回の中間選挙では連邦上院と州知事の一部の選挙も実施されたのですが、有権者の動きが「トランプ政権が嫌いなので、国政では民主党に入れた」のだが、「州知事選挙では、増税を訴えている民主党の候補者に入れない」ということであったという分析がなされていることです。連邦議員には左派を選ぶが(トランプが嫌いだから共和党には入れたくない、民主党は左派の人が候補者だが仕方がないからこの人に入れる)、知事の場合には増税を言わない人に入れる、という動きになったということです。
民主党が左派に寄り過ぎると、左派が優勢な場所ではよいのですが、アメリカ全土ということになると、支持を得られないということになります。しかし、民主党では左派が強い状況ですから、左派の意向が反映されやすいということになります。そうなればアメリカ全土で戦う大統領選挙では民主党に不利ということになります。民主党の有力候補者であるジョー・バイデンにしてもバーニー・サンダースにしても70代を過ぎており、年齢の点で懸念があります。トランプ大統領の方が年下ということになります。トランプ大統領としてはバイデンやサンダースが出てくれば年齢の点で対抗し、左派が出てくれば儲けものという感じで待っているのだろうと思います。ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の名前も取りざたされていますが、テキサス州の連邦上院議員選挙で現職のテッド・クルーズ連邦上院議員に敗北してしまいました。もし大統領選挙出馬ということになると、自分の出身州で勝てなかった人物が大統領選挙候補としてふさわしいかどうかということも議論になるでしょう。こうして見ると、2020年に向けた民主党の先行きは厳しいものがあるということになります。
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