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2019-01-09 00:00
反日韓国の根源は「対日劣等感」
加藤 成一
元弁護士
松川るい参議院議員(
自由民主党)
の2018年12月25ー26日付け本欄への掲載論文「新日鉄判決からみた反日韓国と日本の対応」は、いわゆる「徴用工判決」に象徴される、このところ反日姿勢を強める韓国について、その政治的歴史的背景を詳細に分析しておられ、今後の日韓外交にとって参考にすべき指針と言えよう。特に、「韓国は国民世論が最高法規である」との指摘は重要であり、今回のいわゆる「徴用工判決」や「慰安婦問題」などにも通底する問題であると考えられる。「徴用工判決」は厳密な法解釈に基づくよりも反日国民世論に迎合した政治的判決の色彩が強い。日本を含む現代の民主主義国家は、国政選挙などを通じ国民世論の支持によって成り立っていると言っても過言ではない。しかし、その時々の国民世論が必ずしも国益に合致するとは限らないから、国益を考えて国民世論の誤りや行き過ぎをチェックし、正しくコントロールするのも国家(裁判所を含む)および政治指導者の重要な役割であると言えよう。
この点において、遺憾ながら韓国の文在寅政権は、反日国民世論に迎合し、反日国民世論に支配されるがままに、反日姿勢を強めていると言わざるを得ない。「徴用工判決」に対していまだ明確な政府方針を打ち出せないこと、慰安婦に関する「和解・癒し財団」を解散したことなどはいずれも韓国の反日国内世論に縛られ身動きが取れない結果と言えよう。2016年のいわゆる「ろうそく革命」によって誕生した
文在寅
政権の宿命であり限界でもある。このような韓国政府に対しては、日本政府として安易な妥協は厳に禁物である。日本は2015年「慰安婦問題」の最終的不可逆的解決のために妥協し、韓国の「和解・癒し財団」に対して金10憶円を提供したが、その結末が「慰安婦問題」の蒸し返しと上記財団の解散である。同様に、1965年の「日韓請求権協定」に基づく無償3憶ドル、有償2憶ドルの提供で、いわゆる「徴用工」の慰謝料を含む個人請求権は、すべて韓国政府側において対処し、日韓両国間で完全且つ最終的に解決済みであるにもかかわらず、万一、日本政府や日本企業が今回の「徴用工判決」に対して安易に妥協して賠償金や解決金等を提供すれば、それこそ、「慰安婦問題」の蒸し返しと「和解・癒し財団」解散の二の舞となるのみならず、韓国政府が認定する「徴用工」は22万人にも達することを忘れてはならないのである。
松川るい参議院議員は、「反日韓国」の根源は日本に対する深いトラウマ(心的外傷)を抱えているためと分析されるが、筆者は韓国の日本に対する「民族的劣等感」と「恨み」が根底にあると考えている。具体的には1910年~1945年の日韓併合の屈辱がある。併合がたとえ韓国の近代化に寄与したとしても、他民族による支配は民族的屈辱以外の何物でもないであろう。現に、韓国では日本による統治を肯定する言論は親日派として徹底的に弾圧され社会的に容認されず、逮捕・投獄されるケースさえある。このように日韓併合による日本に対する根深い「民族的劣等感」と「恨み」があるからこそ、「慰安婦問題」や「徴用工問題」などで日本を徹底的に非難攻撃することによって「民族的劣等感」と「恨み」の裏返しとしての優越感を感じ自らを慰めることができるのである。したがって、韓国にとっては、「慰安婦問題」や「徴用工問題」が完全且つ不可逆的に解決されることは、かえって日本に対する非難攻撃材料を失い望ましくないのである。これが韓国政府、韓国裁判所、韓国マスコミ、韓国国民の共通認識であると考えれば、今回の「徴用工判決」や「和解・癒し財団」解散の意味を正しく理解することができるのである。
このように、「反日韓国」が日韓併合以来の日本に対する根深い「民族的劣等感」と「恨み」に基づくものであるとすれば、到底謝罪や賠償で解決できるような生易しい問題ではないことを日本人は認識しなければならない。したがって、韓国に対処する最善の方法は、今回の「徴用工判決」のような国際法に反する違法、不当、理不尽な要求は毅然として断固拒否し、取り合わないことである。そして、時と場合によっては国際法に基づき国際司法裁判所などの国際機関への提訴も有力な選択肢とすべきである。日本に対して国際法に反する違法、不当、理不尽な要求をしても無駄であり取り合ってもらえないと韓国側に観念させれば、そのような要求はおのずから無くなるであろうからである。
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