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2019-02-05 00:00
(連載1)内閣府「中長期の経済財政に関する試算」の謎
緒方 林太郎
元衆議院議員
毎月勤労統計の話が大盛り上がりです。ただ、あの件の問題点を本当に明らかにしようとするのは結構大変だろうと思います。「第三者委員会の独立性が担保されていなかった」というのは面白ネタだとは思いますし、厚生労働省のドン臭さを如実に表しています。しかし、物事の本質はそこではありません。私が官邸に居る人間であれば、雑に言えばこういうシナリオを描くでしょう。そして、これを前提に論理の構築をするはずです。
(1)2004年に抽出調査にした。⇒15年も前の話でよく分からない。関連文書は廃棄されているものがかなりある。(2)その後、抽出調査でやった結果、雇用保険等の支払いが過少であった。⇒民主党政権時も含まれる。皆で反省。(3)2018年に抽出調査に復元を加えた。⇒そもそも、抽出調査が間違っていたので現実に近くするよう努力したのだろう。(4)復元は賃金を高く見せるためのものではないか。⇒そんな事実はない。(5)統計法に基づかず勝手に統計の手法を変えるのは問題ではないか。⇒政務が与り知らぬことだった。問題なので処分する。(6)過少支給分についてはどうするのか。⇒精一杯の努力をする。
こういう反論が返ってくる事を前提に野党諸姉諸兄は考えないと、単に情緒的に「けしからーん」では適当にあしらわれて終わりです。ちなみに安倍総理は(2)を言うのが多分大好きです。(3)は「たしかに正当な手続きに基づいてやらなかったのは問題だが、やった事自体はより現実に近くしようという事だから問題なし」と強気に撥ね返してくるように思いますし、そう言われた時の反論は結構難しいのです。
あと、きちんと対案を出していかないと、与党側から「再発防止プラン」とか出てきて野党の出る幕無しになってしまいます。ここは少し高目のボールとして「統計問題改革案」を作っておくべきでしょう。目立ちたい人が過激な発言をして盛り上がる「公開ヒアリング」なんてのは、問題の解決になりませんし、官僚側からすれば「(1時間程度の)肝試し」だと思われているだけです。あの「公開ヒアリング」、官僚側はガチガチにガードし、議員側はパフォーマンスに走るという事で良くないんですよね。私は現職時代、あまり参加せず、参加する時はTVカメラの隣に座っていました(そうするとTVに映らないので)。(つづく)
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