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2019-02-07 00:00
(連載1)中国の情報・通信支配は世界支配の道具
倉西 雅子
政治学者
アメリカのトランプ政権は、‘スパイ容疑’で中国系情報・通信機器メーカー大手のファウエイ製品の政府調達からの締め出しを決定しました。ファウエイ排除の動きは同盟国の日本国やファイブ・アイズ諸国をはじめ世界規模での広がりを見せており、中国との間で経済的な結びつきが強く、親中派と目されてきたドイツでさえG5関連のインフラ整備から同社製品の排除を検討していると報じられています。
カナダ当局によるファウエイ副会長兼CEOの孟晩舟氏の逮捕容疑がイラン関連であったことは、‘火のない処に煙は立たぬ’の諺通り、水面下では同社が習近平政権の世界戦略の一翼を担っている実態を炙り出しています。一向に収まる気配のない中国製品に対する警戒感の高まりに危機感を覚えたのか、ファウエイ側も疑惑を払拭すべく防戦に躍起になっております。
‘無実’を訴える新聞広告を掲載したり、同社CEO等のインタヴューに応じて進出先国の法令順守を強調したりと、メディアを駆使した‘潔白キャンペーン’を積極的に展開しているのです。しかしながら、こうした‘正面突破’の作戦に打って出たにも拘わらず、この作戦が成功する見込みは薄そうです。
その理由は、第一に、ファウエイ側が弁明すればするほど、疑惑が深まっているからです。例えば、1月19日付の日経新聞朝刊の記事によれば、インタヴューに応じた同社の創業者の任正非氏は、中国当局への情報提供義務を定めた「国家情報法」に関連して、中国政府や共産党からの情報提供の要請に対してそれを拒絶する旨の発言をしております。「顧客企業の不利益になるような形でデータを提出するよう求められたとしても拒絶する」と。(つづく)
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