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2019-02-22 00:00
度しがたい韓国政府・議会の反日狂想曲
杉浦 正章
政治評論家
どこまで感情的な国家なのだろうか。歴史的には中国から度々蹂躙され、日本に併合され、感情的対応だけが対外交渉の武器として醸成されてしまったのだろうか。それにしてもここに来て何でまた反日なのか。韓国政府・議会による反日二重奏である。冷静であるべきマスコミまでが、反日機運の盛り上げに余念がない。かくなる上は日本を失う韓国と、韓国を失う日本とどちらが痛痒を感ずるか我慢比べをしてみてはどうか。反日急先鋒の国会議長文喜相はかつて大統領文在寅の特使として来日しており首相安倍晋三とも会談している。知日派なのだ。極東情勢は27日と28日にベトナムで開かれる米朝首脳会談を軸に、ダイナミックな展開も予想されるところである。そのような国際情勢などどこ吹く風と、文喜相は人相風体にふさわしい吠え方をした。インタビューで、「天皇陛下が元慰安婦に直接謝罪すれば慰安婦問題は解決できる」と発言、日本政府が反発したのに対して「謝罪する側が謝罪せず、私に謝罪しろとは何事か。盗っ人たけだけしい」と開き直ったのだ。「盗人たけだけしい」とは、究極の国家批判であり、昔なら政争勃発だ。そもそも今上天皇が、慰安婦問題に何らかの関わりをしたなどと言うことはあり得ない。
日本は1965年の日韓基本条約において無償で3億ドル、有償で2億ドル、民間借款で3億ドルを支払っている。合計して8億ドルである。8億ドルという額は当時の韓国の国家予算の2.3倍であり、いかに高額であったかが分かる。戦後の韓国経済が立ち直ったのはいうまでもなく賠償金のおかげである。要するに謝りすぎるほど謝ってきたのだ。しかし、冷静かつ客観的に外交を報ずるべき韓国のマスコミも朝鮮日報が「経済報復をちらつかせ、連日韓国を脅かす日本」と報ずるなど被害妄想的な扇動記事を掲載し続ける。これに対して自民党内には対韓強硬論も台頭している。自民党外交部会では(1)韓国に対する防衛関連物品の輸出の規制(2)大量殺傷兵器への転用の可能性がある物品や材料の輸出に関し、韓国を「ブラックリスト」に含める(3)韓国の半導体産業に欠かせないフッ化水素などの輸出を引き続き制限するーなどが検討されているようだ。
一方、外相河野太郎は同日、文喜相議長について「極めて無礼だ。単に国会議長であるだけでなく、韓日議員連盟の会長を務めた人物がこのような話をしたのは深刻だ」と指摘した。当然の発言である。これに対して超党派でつくる韓日議員連盟会長の姜昌一は「河野外相は逆に非常に無礼な発言をした」と指摘した。姜は、天皇の謝罪を求めた文の発言は「極めて常識的だ」と述べた。また、「韓日関係は良好であるべきだ」とし、「日本の政治家は長い目で見て自重してほしい」とも述べた。このように木霊がこだまを読んで、事態はエスカレートしている。問題は大統領文在寅だ。本来なら文喜相発言を諫める立場なのに、後ろを向いて含み笑いをしているがごとく、なにもしない。もはや反日とも言っておかしくない文政権が続く限り日韓関係の修復はおぼつかないと見るべきであろう。韓国が安易な反日路線を取る背景には経済的な要因も少なからず作用している。対日貿易の比重が低下しているのだ。対日輸出は2007年に7.1%で3位であったものが2017年には4.7%で5位にまで低下している。韓国の貿易で“日本パッシング”が生じているのだ。
日本はこの際安易な関係回復などを模索する必要はない。北東アジアの片隅で、国際外交の何たるかに疎い韓国が国際常識の通ずる国に“成長”するまで“優しく”見守るのが一番だろう。それよりも米朝首脳会談が大きく進展すれば、日朝関係に好機が生ずるかもしれない。日本は対韓、対朝でバランスを取った外交を展開するチャンスとなりうる。北の金正恩の方が御しやすいかもしれない。
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