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2019-03-23 00:00
今の「自民党」に未来はあるのか
赤峰 和彦
自営業
国会では、政権政党である自民党に対して、立憲民主党、国民民主党などが、有権者そっちのけのアラ探し質疑を繰り返し国民の顰蹙を買っていますが、これとそっくりな光景が東京と大阪の議会でも見られます。自民党東京都連、大阪府連の面々が立憲民主党かと見紛うほどに、知事のアラ探しに専念しています。先日、東京都連幹事長の高島直樹都議はインタビューで、「小池知事に協力するつもりは一切ない」と自慢げに語っていました。来年は、オリンピックもあるというのに一切協力しないとはどういうことなのか甚だ疑問です。知事が気に入らないというだけでそれが国家や国民にとって大切なことであっても、反発する態度はあまりにも心が狭いと言うほかありません。一方、大阪では大阪都構想をめぐって知事・市長のダブル選挙となりましたが、反維新の自民党などが中心となって「党利党略だ」と批判しています。しかし、今回のダブル選挙は、自民党大阪府連が知事に対し手段を選ばない嫌がらせをし続けた結果から生じたものであることは間違いありません。こともあろうに自民党は前回の選挙では共産党の支持をとりつけました。目的のためには手段を選ばず、単にポストが欲しいだけの利益集団と化しているのです。国会における野党の醜い姿に酷似していることは言うまでもありません。
野党議員同様、自民党議員も国会議員から地方議員に至るまで、国民や有権者のために力を尽くす高邁な精神を持ち合わせていません。日本の国や地域をいかによくするとか、国民の幸福感を増すにはどうしたらいいかなどという気持ちは微塵もなく、議員活動で派生する特権や利益を享受することを最優先にしている人たちなのです。しかも、驚くべきことは、自民党議員の中には、憲法はこのままであるほうが自分の利益確保のためには都合がいいと考え、改憲や日本の安全保障への関心がまったく無い者も大勢います。実例を挙げれば、安保法制成立の際、野党は連日、全国各地で反対の声をあげていましたが、自民党は、安倍総理が声を枯らして法案の重要性を説いていただけで、自民党議員の殆どは、自分の後援者にさえも安保法制の重要性について語ることはありませんでした。
現在、安倍総理は改憲の必要性を繰り返し論及していますが、これに呼応して、改憲の重要性を支持者に語っている議員は、地方議員を含めてどれほどいるのでしょうか。統一地方選を前にして、共産党は立候補者全員が改憲反対の声を上げているのに、自民党の候補者は誰一人として改憲を言っている人はいません。改憲を語っても票につながらないとでも思っているのでしょうか。ここには憲法改正を党是とする自民党の本質的危機が存在します。
このままでは安倍総理の任務終了以降、改憲を主張する総理は出てこない可能性が大きいと思われます。自民党には日本の将来像を描き日本を改革しようと表明する議員が少なすぎるからです。国政選挙で自民党が勝ち続けている理由は、野党の愚かな行為を見て仕方なく自民党を選択する国民がいるからではないでしょうか。決して自民党議員を積極的に支持しているわけではないと思います。自民党が東京や大阪で立憲民主党化した愚劣な行為を繰り返すなら、地方議会で自民党が大勝するはずはありません。自民党は、古いしきたりや過去の政治手法に固執する政治家全員に引導を渡し、国家と国民のために熱心に働く意欲のある人材と入れ替えて、さらに議会では正当な改憲勢力である日本維新の会や都民ファーストの会と協力し、建設的意見に満ちた議会をつくりあげるべきだと思います。
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