ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2019-04-25 00:00
(連載2)消費増税延期の不規則発言の罪
中村 仁
元全国紙記者
新年度予算には消費税アップによる増収5・6兆円、消費増税対策費(軽税率、教育費無償化)2-3兆円、ポイント制による負担軽減などを含みますから、予算修正は面倒な作業です。一方、赤字国債を増発して穴埋めし、歳出は予算案通りにしておくと、財政再建のための消費増税が財政悪化策に化ける。 財務省は当然、そのからくりを知っています。麻生財務相が「萩生田さんが日銀短観を口にするのをこれまで聞いたことがない」と、小ばかにした発言をしました。そこまでいうのなら、土居教授のいう「10月実施の先送りはすでに手遅れ」と、説明してあげるべきでした。
安倍首相はどこまで知っているか。土居教授は知っているはずとの見方です。「過去2回、消費増税を先送りしている。いずれも新税率の実施予定日の6か月以上前に、表明している」といいます。新税率を先送りするには、6か月以上前には決めておくことが必要だからです。「15年10月の実施予定←14年11月に延期表明」、「17年4月の実施予定←16年6月に延期表明」です。いずれも6か月以上前に延期を表明しています。今回は「19年10月の実施予定」ですから、「3月末までに方針を決めておかなければならなかった」ということになるのです。
萩生田氏がその辺りの事情を熟知した上で発言したのか、熟知しないまま野党をけん制するために、うっかり発言をしたのか、分かりません。三村・商工会議所会頭は「理解できない発言だ」と憤慨しています。商工会議所は消費税の影響が大きい中小企業中心の組織ですから、現場は大混乱でしょう。
20日の新聞を読むと、「コンビニ大手が統一対応/飲食料の値札は8%(軽減税率)と表示/店内飲食時の10%は不表示」の記事が掲載されています。政府が業界の対応を急がせているのです。そんな時期に差し掛かっている最中の不規則発言です。業界は怒り心頭でしょう。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
公益財団法人
日本国際フォーラム