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2019-06-18 00:00
(連載1)日米首脳会談と北朝鮮問題――北朝鮮の非核化は不可能
袴田 茂樹
日本国際フォーラム評議員
日米首脳会談が終わった。北朝鮮の核・ミサイル問題は、わが国にとって安全保障上の最も深刻な問題である。この問題に対するトランプ大統領と安倍首相の認識との間には、かなりの違いがあることが記者会見の発言でも分かった。ただそれでも、安倍首相はトランプ大統領の、金正恩を信じての北朝鮮の非核化推進の「新アプローチ」を支持する姿勢を示した。私自身は、金正恩が経済発展のために非核化を実行することはあり得ないと考えている。
トランプ、安倍両首脳の発言を聞いて、私は、北朝鮮の核問題に関する2003年8月に六者協議が始まる際と同じ懸念を抱いた。全く同じ過ちを、今また繰り返しているのではないか、と。そこで、今回の首脳会談での日米両首脳の北朝鮮問題に対する発言を考えるにあたって、結果的に無残な失敗に終わった六者協議が始まる直前に筆者が抱いた懸念を想起したい。ちなみに、六者協議は2007年まで6回(9会合)開催されたものの、2009年4月、北朝鮮がこの協議からの離脱と核開発の再開を声明する結果となった。世界の最貧国の一つである北朝鮮は、この協議で国際政治の主役に祭り上げられ、また、この協議の数年間を金正日は核開発に利用しただけであった。
まず、今回の日米両首脳の発言であるが、トランプ大統領は5月27日の首脳会談後の記者会見で、北朝鮮の5月9日の「飛翔体発射」を含め、この2年はミサイル発射も核実験もしていないとして次のように述べた。「金正恩委員長は経済強国を建設しようと思っている。北朝鮮は他のどの国よりも経済的に大きな可能性がある。それゆえ、核開発は悪い結果しかもたらさないということを、金氏はよく理解している。彼は非常に賢明な人物だから。北朝鮮は弾道ミサイルも発射しておらず、(5月9日の飛翔体発射に関しては)私は国連安保理決議に違反しているとは思っていない。金氏とはいつの日か合意に達することができると思っている」。
また、この同じ問題に関して、安倍首相は記者会見で次のように述べた。「トランプ大統領は金正恩委員長と非核化について合意した。相互不信の殻を破り、非核化の明るい未来を共有し、北朝鮮の行動を促すという新アプローチを日本は支持する。5月9日の北朝鮮による単距離弾道弾ミサイルの発射は、国連安保理決議に違反するもので極めて遺憾である。ただ私は、トランプ大統領の行動と方針を支持している。新アプローチについては、改めて敬意を表したい。朝鮮半島の非核化に向けて、日米韓で協力しながら、ロシアや中国、また国際社会と協力しながら、米朝のプロセスを支援していきたい」。(つづく)
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