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2019-06-20 00:00
(連載1)レベルアップした日米関係
松川 るい
参議院議員(自由民主党)
5月26日から28日の日程でトランプ大統領が訪日し、12時間もの時間を安倍総理と過ごして帰国した。天皇皇后両陛下との謁見に加え、ゴルフ外交、相撲外交、居酒屋外交、「かが」乗船と充実した日程で、内外に、日本と米国の首脳の間には信頼関係があり、日米同盟が強固であるということを、これ以上ないぐらい明確に示した訪日だったと言って良い。折しも、先週末は世界のハイレベル安保担当閣僚が集まるシャングリラ・ダイアローグもあったので、「かが」乗船などはカレンダーも読んだ上での素晴らしい内容だったと思う。一時期の米英の関係にも似たパートナーシップと独自性の融合のような関係に日米関係はレベルアップしたような感を覚える。
おもてなし外交が過ぎるとか、貿易での密約疑惑など批判もあるようだが、日本を取り巻く国際環境(特に、米中冷戦)と日本自身がおかれている状況についての認識が甘いのじゃないか。日本一国で日本を守ることはできない。というか、この世界に1国だけで自国を防衛することができる国など殆どない(米中ロ印イスラエルぐらい)。そして、米中覇権争いは深刻なものであり決着がつくまで結構長く続く。日米同盟が強固であり、日米両首脳間に信頼関係があることは、現下の日本外交の最大のアセット(資産)でありレバレッジ(梃)だ。日中関係は確かに改善しておりそれは喜ばしいことだし、これまた安倍外交の成果といってよいと思うが、それが可能になったのは米中関係が悪くなったために反射的に日本が利益を得ている面が相当ある。
別に南シナ海における中国のアグレッシブな行動が変わったわけでもければ、尖閣諸島に対する野心が変わったわけでもない。むしろ、尖閣諸島をめぐっては中国公船が57日も連続してやってくるなどプレッシャーは順調に増している。引き続き安全保障上の最大の脅威であることに変わりない。朝鮮半島についても、北朝鮮は不透明な情勢であり、日韓関係は最悪である。直近で言えば、G20議長国として采配を振るう必要もある。欧州も英国のブレグジットから諸国内で第三局の台頭など不透明な情勢にある上、イランやパリ協定やNATOに対する米国の態度などで、欧州主要国も対米関係は必ずしも良好とはいえない。
そのような流動的な国際情勢にあって、日米関係が強固であり、安倍総理がトランプ大統領と信頼関係にあり、もっと言えば、トランプ大統領は安倍総理の言うことに耳を傾けるのだ、そして、結構言い分を聞くのだと、思われることは、対中でも対北朝鮮でも対韓国でも、日本のポジションを向上させているし、対欧州でも対イランでも日本の価値を高めている。日本に一目置き、日本をテコにして何とかアメリカに対処しようということも考える。実際、世界の首脳を見回してみても、まともにトランプ大統領と話せるのは安倍総理だけなのである。これは、日本の外交に大きなレバレッジをもたらしている。日米両首脳の「かが」乗船で一番ショックを受けたのは中国だろう。対北朝鮮でも良かった。トランプ訪日後にシャングリラ・ダイアローグがあることも見越して日程を組んだのだろうか。ちゃんとカレンダーを見て外交をする政権は本当に安心できる。(つづく)
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