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2019-07-04 00:00
現代メディアに期待される役割とは
赤峰 和彦
自営業
国内外の政治ニュースに接するたびに違和感を抱くのは筆者だけではないと思います。テレビや新聞は出来事をありのままに報道せず、必ず作為的にメディアの意図する方向に誘導しているからです。報道メディアは、国民が安心して幸せに暮らすことよりも、対立や憎しみを煽り、不安感や恐怖心で苦しむ姿を待ち望んでいるように見えます。彼らのものの見方が大きく異なるのは、「報道の役目は権力を監視することだ」と教え込まれているからです。しかも、「国家権力は悪」との思想で洗脳されている報道機関さえあります。陳腐化した政治概念を現代社会に当てはめる考え方は思考停止状態であり無理があります。
メディアはこうした背景のもとで人々の不安や憎しみを煽り続けているのです。業界の事情に詳しい友人は次のように述べています。メディアは権力の監視役ということらしいのですが、メディア(特に新聞)に対する国民の信頼度は著しく低くなっています。つまり国民はメディアに監視役を任せるわけにはいかないと感じています。監視役などおこがましい限りでメディアの勝手な思い上がりに過ぎません。むしろ現在では国民がメディアを監視しなければならない時代ではないでしょうか。メディアへの信頼低下は、大手の新聞社の発行部数が激減して赤字続きとなり、発行部数をごまかして体面を繕ってはいるものの、どこも退職者が続出し、記事そのものの質が低下している現状が明確に証明しています。近い将来、「事実さえ報道していればこんなことにならなかったのに」という嘆きの声が新聞社から聞こえてくるようです。
現代はインターネットやIT技術によって、情報や知識が瞬時に伝えられ、それを誰もが簡単に手に入れられます。メディアは従来、一次情報を独占し、情報を加工したり操作したりして流していました。しかし現在は、多くの人びとがメディアの嘘を見抜くようになり、SNSなどの投稿ではメディアの知性をはるかに凌駕するものが多数見受けられます。メディアが情報操作する間もなく、もっと早い速度で真実が世界中に発信されているのです。このことはとりもなおさずメディアとしての機能と立ち位置が失われつつあることを物語っています。まさに、メディアは存亡の危機にあると言えます。
しかし、メディア業界は未曾有の危機の今だからこそ起死回生のチャンスでもあると言えます。陳腐化しすでに役に立たなくなった古い時代の考えを捨て、世の中に対し無用の不安や争いを煽ることをやめ、人々が安穏に心豊かに暮らせる方向に特化することがメディアの本来の使命であることに気づくことです。報道の自由とは、決して社会の不安を増幅することではなく、「人々や社会の向上を創造し、それを報道する自由」ということだと思います。
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