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2019-07-11 00:00
(連載2)日本に求められる「ブレのない」エネルギー戦略
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
当時ドイツは隣のフランスから原子力発電の電気を買っていて、自国のすべての電力需要をドイツ国内の発電施設で賄っていたのではなかった。そもそも日本とは全く前提の違う状況で「単純に国境線で物事を切り分けて考える」ということが往々にして行われた、馬鹿な政治によって決められたのである。ドイツは、そのまま再生可能エネルギーの補助をやめ、フランスから買うことを中心に行い、そのことによってEUの連携を強めていった。対して、「ヨーロッパ大陸」から独立しているイギリスは、その連携に入れないし電力輸入の度合いも希薄である。そのように考えた場合に、EUそのものから離脱するということでブレグジットが発生するようになった。
日本の政治、特に民主党の時の政治はなぜか「いいとこどり」をしているつもりで様々な国の良いところをもってきているように見えるが、あまりその国の環境などを調査せず、全体を見ないで政治を行ったために、実際に行ってみるとすべてが崩壊するというようなことが起きた。安倍内閣7年間で、私の見るところ、小泉内閣時代から含めて、戦後民主党や野党が反対してきて妥協してきたひずみを直しているだけにしか見えないのである。その主因は、昨年以来の陸上風力発電設備の新規建設の激減だ。公益法人FAウィントによると、今年1~3月期の新規導入容量は前年同期比約9割減の13万4100キロワットと、同期としては2000年以来の低水準となった。
エネルギー政策というのは「継続性」と「新技術への更新」が必要である。実際にそれらの物がなく、一過性のブームでエネルギー政策を行うと、このようになってしまう。私自身は、「原子力発電をタブー視しないエネルギーミックス」が必要であり資源をなるべく外国から輸入しないエネルギーの自立が必要である、と考えているし、そのように訴えてきている。
しかし、日本の中には、アレルギー的に原子力を嫌っている人がいる。再生可能エネルギーも実際にはかなりの面で環境破壊が見られ、太陽光発電のパネルの敷設地の地盤が弱くなって大雨でがけ崩れが起きるなど、様々な弊害が出てきている。そのことを全く見当も予想もしなかった民主党の「誤った政策」をどのように考えるのか。日本は「外国から学ぶ」のであれば、このような「失敗からこそ学ぶ」という姿勢を行い、同じ過ちを繰り返さないようにすべきではないのか。(おわり)
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