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2019-08-29 00:00
(連載2)文在寅は韓国をどこに連れていくのか
松川 るい
参議院議員(自由民主党)
韓国は、日本の輸出管理運用見直しの意味するところをわかっている。要するに、信頼関係が崩れた結果「韓国はもう日本にとっての特別な友達ではない」ということである(普通の友達ということ)。自分が信頼関係を崩しておいて逆切れするところは理解しがたいが、「もう私のこと信頼できないっていうなら、GSOMIAも無理だよね」という韓国式の逆切れなのだ。また、韓国は往々にして、というか特に日本絡みのことについては、戦略的判断よりも感情とか「正義」を優先しがちなので、今回もその一例という見方もできる。2回も特使も送ったし、8月15日の光復節でも文大統領からは、対話を日本に対して呼びかけたのに日本側が反応しなかったことが原因という指摘もある。もともと、韓国の一連の一方的な反日行為で日韓関係を崖下に落としたわけで、特に深刻な旧朝鮮半島出身労働者問題については日本からの協議・仲裁要請を無視しておいて、何を言っているのだろう、と日本人は思うわけだが、お互い自分がやった行為については軽く考えがちということは言えるのかもしれない。これがスタンダードな見方だろう。
それと二律背反なわけではなく、むしろ両立するものであるが、私は、文大統領自身の長期アジェンダが大きく影響していると考えている。すなわち、日本の輸出管理運用見直しを奇貨として、自分の長期的アジェンダである、①南北統一と②積弊清算(親日派清算、社会の主流派を保守派から左派革新に変更すること)の双方を推進するつもりなのだろうということである。文大統領が8月5日に「平和経済(南北統一)で日本を超える」と言い出し、翌日には日本の輸出管理運用見直しを理由に(一体何の関係が?)、公務員に対する監視を強化すると発表した時から、ずっと文大統領の真の意図について懸念していた。今回のGSOMIA破棄については、予想外だったという声が多いが、私は8月5日の彼の声明を聞いた時から、GSOMIA破棄は、韓国政府関係部局的にはないが「文大統領的には」ありなのではないかと疑っていた。
文在寅大統領の「南北統一して日本に対抗しよう」という趣旨の発言に、単なる来年の国会議員選挙や政権浮揚だけではなく、韓国を本質的に変質させて反日を結節点としての南北統一国家の誕生を予期しているかのように思え、「韓国は一体どこに行くのだろう(連れていかれるのだろう)」と桁違いの懸念を覚えたのだ(杞憂であることを未だに願っている)。15日の光復節の抑制的演説も、これは、対外世論戦の一貫ではないかと思ったぐらいだ(世界の目から見て、「韓国の方が理性的で悪いのは日本」と見えるような状況を作るため)。短期的には韓国に不利益であっても、南北統一のためであれば、日本を「敵」にして様々な統一のために必要なアジェンダをこなすことは合理的行動であり、統一朝鮮となるのであれば、いずれにせよ米国からも一定の距離を置くこととなるのだから、そのきっかけを自分で作るより日本のせいにしてしまう方が負担が少ない、というのは合理的思考である。
反日の統一朝鮮というのは日本としては是非とも避けたい最悪の事態であり、また、その時の韓国がどのような韓国になっているかを想像すると、余り一般の韓国国民にとっても幸せとも思えない。善良な韓国の一般国民はそんな文大統領の「意図」には気づかないまま、ピュアな気持ちで不買運動に参加しているのだろうが、少なくとも文在寅大統領にとっては、「反日」は真の野望のための一石二鳥のスケープゴートという面があるのではないだろうか。もっとも、先般会った韓国の元議員の中にも、「日本の『報復』は、嫌韓を利用して憲法改正をするための日本の野望なのではないか」と真顔で聞いてきた人もいるので、お互い疑心暗鬼になっているだけなのかもしれないけれど。いずれにせよ、数年前から、北極海航路を念頭において、対馬防衛の重要性を訴えてきたが、ここに韓国の要素も加わることになる。我々は対馬をもっと重視するべきだ。国境も防衛線も対馬なのだ。(つづく)
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