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2019-09-24 00:00
第四次安倍改造内閣、真意が見えるのはまだ先か
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
さる9月11日の午後、安倍首相は4回目の内閣改造を行った。今回は小泉進次郎氏(環境大臣)を含め13人が初入閣となった。また、加藤勝信氏(厚生労働大臣)などは、以前に一度、大臣から退き、自民党総務会長になったのちの「出戻り」での大臣となる。一方、今回入閣になると話題されていた三原じゅん子参議院議員のほか、待機組の逢沢一郎衆議院議員や平沢勝栄衆議院議員などは入閣が見送られた。さて、今回の内閣は、間違いなく「憲法改正を目指す内閣」である。実際に「首相側近」と、マスコミで言われ続けている(わざと微妙な表現を用いている)萩生田光一議員が文部科学大臣になり、また官房副長官を歴任した西村康稔官房副長官なども入閣している。
他方、「入閣しなかった人」については、石破茂元幹事長の派閥からは一人も選ばれなかった。つまり、憲法改正に反対している派閥には、大臣を分け与えなかったということになる。しかし、それによって逆に「挙党一致」が難しくなっているという感じである。ここで、今回取材をしてきたものの一部をここにご紹介したい。まずは幹事長人事が問題になる、ということがあった。つまり、二階幹事長の留任か、あるいは岸田政調会長かということでなる。この点については、様々な選択肢があった。ポスト安倍ということになると、菅官房長官か岸田政調会長かというような話になっていたが、安倍首相は岸田政調会長を推している。
そのために、岸田政調会長の幹事長横滑りを強く推薦していたのである。そのために二階幹事長には「予算をつけた副総裁」というポストを準備したのであるが、二階氏はそれを拒否。そのために、岸田幹事長がなくなったのである。もう一つの大きな人事が「外務大臣」であった。河野外務大臣及び世耕経済産業大臣の留任がもう一つのポイントであった。この二人は、9月5日の日露首脳会談で、北方領土交渉を任せられたが、全く前に進まず、この二人の大臣では北方領土などの外交交渉は難しいのが実情だ。河野大臣に関しては、対韓国、対中国においてかなり良く、また世耕大臣に関しても対韓国の重要産品の貿易管理強化で指導力を発揮していたため、両氏とも留任を望む声が少なくなかったが、まあ、外交は韓国相手だけではないということか。
河野大臣に関しては横滑り、世耕大臣は参議院会長に移動という結果になったのもある程度仕方がないことになる。新しい内閣の顔ぶれが発表され、官邸のことをよく知る人は「何かあったよな」ということを言っている。実際に日露首脳会談の時に出てきた内閣名簿案と思われるメモ(出所は言えない)に比べてかなり異なるものであった。つまり、その間に「何かがあった」のである。その何かということに関してなかなか興味深い話があるのだが、まあそれはその話の内容が確定してから話をすることにしたい。いずれにせよ、今度の内閣でどのようなことになるのかということが注目される。また「何かがあった」ということの内容とその後の影響も気になるところである。
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