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2019-09-27 00:00
気候変動における危機管理とは
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
去る9月9日から10日にかけて、台風15号が関東地方を直撃した。規模は小粒ながら大変強い台風と言われ、かなり前から警報が発令されていた。台風の進路の右側が危険半円と言われるが、その中にどっぷり入った千葉県では、鉄塔や電柱があちこちで倒れたため、最大で90万軒で停電が発生した。その後も数十万軒が長い間復旧せず、市民生活に大きな影響を与えた。折しも猛烈な残暑が訪れ、被災地域では過酷な生活を強いられた。
また昨年来公共交通機関では、「計画運休」と言う新たな措置が取られるようになったが、復旧の予想時間が当初の発表よりも数時間遅れるなど、通勤客を巻き込んで大きな混乱が発生した。台風の進み具合など予想しにくいこともあろうが、各会社ではもう少し丁寧で確実な発表を行うべきだったと思う。
さらに過酷な状況だったのは、成田空港の利用客だった。空港と都心を結ぶほとんどすべての公共交通機関が運休となり、空港に到着した乗客が帰路の手段を失った。最大で1万数千人と言う多くの人々が空港内に閉じ込められると言う異常事態となった。各路線においては台風の被害を最小限に食い止めるため、運休せざるを得ない事情は分かるが、交通機関同士で横の連絡を取り合い、すべての手段がなくなる事態を避けるべきだったのではないか。
今回の事態を招いたのは、交通機関同士の意思疎通が欠けていたためと言うべきだろうが、本来はその全ての手段を所管する国土交通省が、早い段階から調整に乗り出すべきだったのではないだろうか。今後も地球温暖化の影響により、台風や豪雨などの災害の発生状況や有り様が、これまで経験したことのない事態を引き起こすだろう。よって政府や民間の危機管理についても、従来からの慣例にとらわれない柔軟かつ迅速な対応が求められている。
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