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2019-10-27 00:00
デジタル・ファシズムとアナログ・ファシズム
荒木 和博
拓殖大学教授
さる10月19日、アジア自由民主連帯協議会(ペマ・ギャルポ会長)の「第9回アジアの民主化を促進する東京集会」に参加してきました。近年、中国国内のチベット・ウイグル(東トルキスタン)・南モンゴルなどでの人権侵害は熾烈を極めております。さらに、中国共産党の膨張政策によって、大規模なデモが続いている香港はもとより、台湾、そして日本もその脅威にさらされています。当日は他にもベトナム、バングラディッシュ、韓国の方々も参加しておりましたが、どこも中国の脅威を直接間接に感じている国々です。中国では、特に国内で、反共産党勢力への先端技術を駆使した弾圧が行われています。
チベットでもウイグルでも、ITを駆使して誰がどこで誰と会って何をしているかまで把握するというのは文字通りジョージ・オーウェルの『1984年』の世界です。この「デジタル・ファシズム」は誰かが歯止めをかけないと人類の破滅にまでつながるのではないかと思います。このように「デジタル・ファシズム」を実践する中国に対して、何もしていないどころか、「日中関係は完全に正常化した」と自賛して国家主席を国賓で呼ぼうとしている安倍政権は完全に方向を誤っているのではないでしょうか。
天安門事件の後、国際的な批判を受けて追い詰められた中国共産党を日本が天皇訪中で救ってしまった愚を二度と繰り返すべきではないと思います。また、そのデジタル・ファシズムに比べるとスケールは小さいものの、アナログ・ファシズムの国も依然として向こう岸に存在しています。父から権力を譲り受けただけの彼が、中国で行われているように個人崇拝を人民に強いる姿はまるで親分が子分の真似をしているようで若干滑稽です。とはいえその脅威は本物、国家主席も第一書記もどちらも放置していたらますます状況を悪くするといわざるを得ません。
当日の集会では「今日の香港は明日の台湾、明後日の日本」という話が出ていました。もう少し広げて言えば「昨日のチベット・ウイグル」「明後日の沖縄、三日後の日本本土」かもしれません。日本がそうならないように、私たち自身が闘わなければいけないと感じた次第です。日本にとって、正面の敵は言うまでもなくアナログ・ファシズムの向こう岸なのだろうと思いますが、岸の更に先の広い大地にはデジタル・ファシズムを使いこなす大きな脅威があるのです。
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