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2019-11-19 00:00
経済指標を見れば大統領選挙がわかる
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
アメリカ大統領選挙は来年11月3日が本選挙の投開票日だ。約1年を残すのみとなった。共和党では現職のドナルド・トランプ大統領が2期目を目指して出馬している。民主党では、ジョー・バイデン前副大統領とエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が争っている。来年2月3日から予備選挙(党員集会と予備選挙)が始まり、3月3日に多くの州で予備選挙が実施されるスーパー・チューズデー、7月には全国党大会を経て、候補者が決まる。
「トランプ大統領が再選されるのか、はたまた民主党がホワイトハウスを取り返すのか」ということが最大の関心事である。これまでの大統領選挙を見れば、現職大統領が敗れるということは少なかった。最近の例で言えば1992年の大統領選挙で、共和党のジョージ・H・W・ブッシュが民主党のビル・クリントンに敗れたということがあった。この時はブッシュの支持率はもともと高かったのだが、経済指標が悪化したことで人気が下落してしまった。また、第三党の候補者として保守系のロス・ペローが人気を高めたこともあり、共和党票が分裂してしまった。このように、大統領選挙ではその時の経済状態が非常に重要な要素となる。
2016年を除いたすべての大統領選挙で結果を正確に予測してきたムーディーズ・アナリティカ社の予測では、2020年の大統領選挙ではトランプ大統領の再選の可能性が高いという結果が出ている。ムーディーズ社の分析は、「人々の自分たちの経済状態の認識」「株価の動き」「失業率の動き」を基盤としたモデルを3つ作って予測を出している。そして、現在の指標がそのまま続けばトランプ大統領が勝つという結果が出るようだ。ここで問題なのは、「経済に関する指標が現在のままで大きな変動がなければ」ということだ。逆に言えば、何か大きな出来事が起きてしまえば、この予測は外れてしまうということになる。もちろん、明日に何が起きるかは分からない。多くの出来事や経済指標が予測可能になっているとはいえ、完璧ではない。
これからの1年間で経済指標を下げてしまうような出来事、たとえば株式の下落や国際的大企業の破綻が起きれば、トランプ大統領の再選可能性は低くなる。彼が仕掛けている米中貿易戦争も早期に終息させねばアメリカ経済に大きな影響が出る。農業分野では妥協が出来たようだが、共和党の支持基盤である農業州の中で変動があれば勝利は覚束ない。1992年の大統領選挙で、ビル・クリントン陣営は「It’s the economy, stupid(問題は経済なんだよ、間抜けが)」というスローガンを生み出して勝利した。経済状態は大統領選挙に大きな影響を与える。大統領選挙の状況を見ていく上では経済指標を見ていくことが必要だ。
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