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2020-01-10 00:00
作られた「反日・嫌韓」に惑わされるな
荒木 和博
特定失踪者問題調査会代表
いまだ具体的な証明には至っていないのですが、韓国で反日を、日本で嫌韓を、それぞれ煽っている勢力の一部に重なる部分があるような気がしています。今の文在寅政権及びその周辺がそうであるように、北朝鮮からすれば日本と韓国の関係が悪化すればするほど得になります。逆に日韓が連携していることは彼らにとって脅威です。先日の北朝鮮人権映画祭の一件で気づいたのですが、昭和40年(1965年)の日韓国交正常化に対して北朝鮮は非常に脅威に感じ、様々な形で妨害をしました。吉永小百合主演の「未成年 続キューポラのある街」もその一環だったように思います。そのために作った映画ではないでしょうが、朝鮮総聯が利用したのはおそらく間違いありません。それ以外にも、この当時、北朝鮮・朝鮮総聯は様々な形で日韓国交正常化妨害をやっています。
実際、当時の朴正煕政権が国内の反対を押し切って日韓国交正常化を実現したことで経済的にも安保面でも日韓の結びつきは非常に強くなり、北朝鮮にとってはまさに脅威でした。日韓の関係を分断しようと昭和48年(1973年)のいわゆる「金大中事件」で大騒ぎしたり、翌年の「文世光事件」では朴大統領の夫人・陸英修さんが日本の交番から拳銃を盗んだ在日韓国人青年の文世光に暗殺されたりしたことで日韓関係は悪化しました。それでも当時は韓国人が北朝鮮の脅威を実感として持っていた時代で、日韓関係は様々な障害を乗り越えて発展していました。今の「作られた反日」が幅を効かせるのはその体験が薄れていった1980年代からです。
それは韓国では「民主化」、というより親北左翼勢力が居場所を次第に広げていった時代でもありました。日本時代を知らない世代には、慰安婦の強制連行が真実であるかのように受け取られました。日本でも韓国の反日を煽る勢力がありました。吉田清治という詐欺師が「自分がやった」と嘘の証言を行ったことも、それに火をつけました。日韓で反日のキャッチボールが行われ、それはやがて日本国内に嫌韓の火をつけることになりました。韓国の反日もそうですが、日本のネットなどでときどき明らかにフェイクとわかる嫌韓の主張がされているときがあります。私はあれもやはり北朝鮮につながる勢力が関わっている場合が少なくないと思っています。とはいえ、別に日韓がお互い無理をして好きになる必要はありません。
嫌いは嫌いで一向に構わないのですが、ただしそのことが北朝鮮に利用されているのかもしれないという認識だけは必要だと思います。今の文在寅政権は、親北朝鮮の姿勢が顕著であり、「日本との関係を悪化させる」こと自体が目的ではないかと思わざるを得ない面があります。ですから、日本としては、その手には乗らないということも必要でしょう。また、この反日嫌韓の作られた部分は意外と簡単にひっくり返せるような気もします。反日のはずの文在寅大統領が、実は大の寿司好きで、夫人は裏千家の茶道をたしなみ、令嬢は国士舘大学に留学されています。チョ国元法相の記者会見のときのボールペンが日本製だったとか、韓国の反日マスコミでもテレビカメラは皆日本製であるなどの事実をみるにつけ、北朝鮮の長年の血のにじむような工作の積み重ねも意外と砂上の楼閣のように感じられるのです。ですから、こちらがうまくそうした日韓の絆を効果的に周知させることが重要ではないでしょうか。
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