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2020-01-20 00:00
政局は「解散適齢期」で波乱必至
杉浦 正章
政治評論家
首相・安倍晋三が施政方針演説を行い、外交内政両面で力強いトーンを前面に打ち出した。波乱不可避の国会の幕開けとなった。会期は6月17日までの150日間。衆院は「解散適齢期」を迎え、安倍も「あいさつと解散は急にくる」とうそぶいている。安倍が解散総選挙に踏み切る公算も、秋の臨時国会までを含めれば極めて高いものとなるだろう。与野党共に正念場を迎える。ある評論家はTVで「解散は大義がない」と述べていたが、判断を間違えている。解散は言ってみれば首相最大の特権であり、自らの職責をかけた政局運営の手段である。大義など理屈は後から貨車で来るのだ。
公明党代表・山口那津男も「東京オリンピックが9月初旬で終わる。衆院議員の任期が残り1年となり、自民党総裁の任期も衆院議員の任期直前に区切りがくる。衆院における次の挑戦がなされる可能性がないとは言えない」と不気味な予言をしている。大義はなくても総選挙の論戦のテーマは山ほどある。まず外交安保では日米安保条約が久しぶりに俎上(そじょう)に乗るだろう。同条約は署名以来60周年を迎えており、自民党政権興隆と、野党の凋落の基礎となり続けている。安倍も演説で「日米同盟はかつてなく強固なものとなった。太い信頼関係のもとに、抑止力を維持しながら沖縄の基地負担削減などに取り組む」と強調した。さらに論戦のテーマとしてはカジノを含む総合型リゾート(IR)誘致問題だが、2番煎じの感を否めない。「桜を見る会」にせよ、自衛隊の中東派遣にせよ、新味がない。
総じて野党は“追及パワー”に欠けており、爆弾質問でもない限り、政権は痛痒を感じまい。「ポスト安倍」問題もうごめきはじめるだろう。ポスト安倍候補は「岸破義信」だそうだ。岸田、石破、菅義偉と信はは、厚生労働相加藤勝信だそうだ。ポスト安倍候補の政調会長岸田文男について安倍は「次の総裁選に出ると明確に言っており(ネクストバッターズサークルで)バットをぶんぶん振っている。もうじきその音が聞こえてくると思う」と述べ、存在感を高めていくとの見方を示した。岸田に対するエールを送った感じだが、これは岸田が安倍4選阻止より禅譲路線を選択することを期待してのことだろう。安倍は、NHKのインタビューで、4選について「全く考えていない、頭の片隅にもない」 と否定したが、いまから4選を打ち出すのは愚策だ。
岸田について党内では「いい人」との評価が高いが、自民党幹部は「どうでもいい人だ」と述べているという。どうも“覇気”に乏しい感じがする。もっともギラギラしすぎればかえってマイナスなのは分かっているのだろう。もともと宏池会は池田勇人以来「据え膳」を食べてきた事例が多い。今度もできればそうしたいのだろう。通常国会は野党も「選挙近し」とみて、冒頭から波乱含みだ。安倍が3回目の衆院解散に打って出るか、オリンピック後の秋の臨時国会で踏み切るかだが、いずれにしても衆院議員は選挙モードだろう。そうでなければ落選の憂き目をみる。選挙に勝てばは、2012年9月に党総裁に復帰して以来、「国政選挙7連勝」だ。「安倍4選」もあり得ることになる。
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