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2020-01-22 00:00
(連載1)米イラン対立にみる日本のリスク分散の必要性
松川 るい
参議院議員
年明けから目まぐるしい米イラン間の軍事対立が展開している。日本にとっては、①米国には中国に精力を注いでもらいたいところ、中東に足を取られること自体が極めてマイナスである、②中東に石油輸入を9割も依存している日本としては中東情勢の緊迫化はエネルギー安全保障の観点からもマイナスである、との二つの大きな懸念材料がある。
さらに、③対イラン政策をめぐる米欧の分断が生じる上、エネルギーを中東にもはや依存しない純エネルギー輸出国の米国が中東から撤退する方向が加速する、④結果的に、ロシアと中国がそのパワーの真空を埋めることになるのではないかとの懸念も増大する、⑤イランが結果的に核兵器保有に進めばサウジ他の中東諸国も核保有に向かい中東における核ドミノが起きるのではないか、といった点も懸念される。
それにしても、ソレイマニ司令官殺害の意図は何だったのか。トランプ大統領は、イランに対し「米国の権益を犯すことは許さない。米国を舐めるな」と警告したかったのだろう。その目的は達成されたが、米国の中東政策はより難しくなった。トランプ大統領は、もともと中東に人員や予算を割くことに反対してきた。これだけ面倒な状況になったら、おそらくタイミングを見計らって、中東から米軍、特に陸上部隊を、引き上げようとするに違いない。
米国にとって中東はかつてのような戦略的重要性はない。米国が中東に持つ権益は、せいぜいイスラエルとサウジに対する配慮ぐらいのものだろう。「アメリカ・ファースト」というのは形を変えた「孤立主義」であり、中東はトランプ大統領が気にする地域ではもはやなくなった。いずれにせよ、日本はイラン・米両国が自制するようあらゆる努力をすべきだ。なぜなら、両国の軍事衝突はそれ自体の甚大な人的犠牲だけでなく中東諸国の核ドミノを招くことが必至だからである。そうした中、米国とイランの双方との信頼関係を持つ日本としても果たすべき役割は少なくない。(つづく)
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