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2020-02-04 00:00
野党よ、政党の本懐を見失うな
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
突然、野球の話で恐縮だが、いわゆる「アンチ巨人軍」というのは一チームではない。セントラルリーグには、巨人以外に、阪神・広島・ヤクルト・DeNA・中日(順不同)の5チームある。「アンチ巨人」というのは、巨人軍を倒して自分のチームが優勝するということを目指すのであるから、当然に、元々は「自分のチームの優勝を目指す」というのが根底に、というか絶対的な基礎にある。その基礎の上に、「その優勝の手段として強い巨人を倒す」ということになるのである。つまり、優勝を目指さないチームが存在していても、それは野球そのものが面白くなくなるだけで、話にならないというのが普通の発想だ。
もちろん、優勝を目指さないチームであるからといって(野球シーズン後半などは、勝ち数などから優勝が絶望的になるチームは必ず出てくる)そのチームを排除する必要はない。個人の記録などもあるし、また、そのチームの勝敗がほかのチームに影響するからである。しかし、優勝が決まってしまった後は、「消化試合」といって、基本的にはあまり勝敗にこだわらなくなってしまい、来シーズンに向けた新戦力の確認などが関心の中心になってしまう。やはり消化試合になってしまうと面白みに欠けてしまう。
実のところ、政治が現在こうした状況にある。「アンチ自民党」というより、安倍政権がこれだけ長く続くと「アンチ安倍」というような感じになってきてしまっているが、本来は、各政党もまた自民党の反主流派も「自分の主張や政策による政治を行う」ということ、つまりは優勝を目指すことが本来その主眼のはずである。しかし、なぜか「アンチ」が自己目的化してしまい、さらに「アンチの集合体を作る」などと画策している。なにしろ現在の野党はスキャンダル暴きと批判しかしない。いま国民の関心は、たとえば新型コロナウイルスへの対策であるのに、予算委員会などでも、IRがらみの汚職や「桜を見る会」に関する質問が大勢を占めるというのであれば、もはや国民の関心事を全く理解していないと言わざるを得ない。
国民から乖離した「批判のための批判政党」であって、まさに「消化試合」しかしない政党が野党であるということになる。いまの野党は全く自分たちの政策もヴィジョンを語らない。しかし、批判は批判でしかなく政策ではない。その「批判の政党」に野党を結集しようとしているというのはどういうことだろうか。こうした野党の動きに対し、二階幹事長は「野党の合流は特別期待もしておりませんし、合流されないほうがいいとも思っておりませんので、どうぞご自由に、という感じですね」と語っているが、もっともな指摘である。国会内での離合集散に奔走し、与党の批判しかしないだけで国会議員を続けられるというのが、日本のおかしな政治環境である。こうした野党の状況を、有権者の良識が許すはずはない。野党は一度立ち止まって自分たちの存在意義を省みるべきではないだろうか。
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